2022年09月30日 1741号

【1741号主張 民意も憲法も否定 中止しかない安倍「国葬」】

止まらない支持率低下

 毎日新聞の世論調査(9/17〜9/18)で、岸田内閣の支持率は29%に下落し、「危険水域」の3割を切った。不支持率は64%とダブルスコアだ。同時期の共同通信、日経新聞、産経新聞の世論調査でも、いずれも支持率は発足以来最低を更新し、不支持が上回る。岸田政権は危機的状況だ。

 支持率低下の要因である「国葬」は、賛成27%に対し反対62%と大差がついた(毎日新聞調査)。自民党と旧統一教会との関係の点検結果について「不十分だ」は76%にのぼる(同)。

 党による調査ですらなく、対象者が自主「点検」した回答など誰も信じない。対象から衆参両院議長を外し、最も結びつきが強い安倍元首相も外すなど、全容解明とは程遠い。それでも、自民党所属国会議員379人の47%にあたる179人に接点があることが判明した。自民党と統一教会とのズブズブの癒着に市民の怒りは爆発している。

道理なき民主主義否定

 民主主義を破壊してきた安倍政治を正当化する「国葬」に対し、市民は強い怒りを持って反対している。

 8年8か月の安倍政権下では市民の反対の声を封殺し、特定秘密保護法、戦争法、共謀罪法などを強行。民意無視の辺野古新基地建設を加速させた。「モリカケ・桜」と国家私物化は政権ぐるみとなり、東京五輪汚職事件でも安倍の関与が暴かれた。そして、アベノミクスなど新自由主義政策推進こそ、現在の物価高騰、コロナ無策、雇用破壊につながっているのである。

 岸田首相は、「国葬」実施を安倍政治の正当化、改憲・軍拡の好機と捉えた。しかし、費用は16・6億円と当初説明の6・6倍に膨れ、運営も5年連続で「桜を見る会」設営を請け負った業者が担うなど問題はとどまるところを知らない。

国葬もろとも岸田退陣へ

 「国葬」中止の声は日を追うごとに高まっている。

 4つの団体・個人が呼びかけたオンライン署名は44万筆を超えた(9/19現在)。ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)のオンライン署名も4万2千筆に達し、郵送、ファクスを通じた紙版署名による反対の声も集中している。ZENKO関東事務所には連日千筆以上の署名が届き、関西事務所でもファクス受信機に署名があふれる。

 街頭署名には市民自ら駆け寄り「国葬」への怒りをぶちまける。9月19日には総がかり行動実行委員会などが呼びかける集会・デモが全国で展開された。東京都小金井市・国立市、神奈川県葉山町・鎌倉市などで国葬中止の意見書が可決され、各地で首長の「国葬」参列への公金支出は違法と住民監査請求が行われている。

 地域から、自治体から闘いを広げ、「国葬」もろとも岸田政権を退陣に追い込もう。

 (9月19日)
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