2022年09月30日 1741号

【さかいみほのじゃらんじゃらんinインドネシア ジャカルタ編その10ーインドネシアの祝祭日と暦】

 皆さまお元気でお過ごしでしょうか。暦の上では秋だと言うのに、厳しい暑さが残る一方、台風や豪雨での被害、日本の気候もなんとかならないものでしょうか。

 さて、前回で触れたインドネシアの祝祭日(Hari Libur Nasional)、元旦、メーデー、パンチャシラの日、独立記念日、クリスマス以外の祝祭日を見ていきましょう。

 前回と今回の違いは、移動祝祭日かどうかというところです。年によって日が変わるため、カレンダーや手帳(あまり使用している人を見ませんが)を生産する業者は大変ですよね。いつも秋頃に、翌年の祝祭日についての政府決定が発表されます。

 2022年では、旧暦新年(2月1日)、ムハンマド昇天祭(2月28日)、サカ暦新年(ニュピ、3月3日)、聖金曜日(キリスト受難日、4月15日)、イスラム断食明け大祭(5月2〜3日)、仏教祭(灌仏会〈★かんぶつえ〉〈花まつり〉)、5月16日)、キリスト昇天祭(5月26日)、巡礼の日(7月9日)、イスラム暦新年(7月30日)、ムハンマド生誕日(10月8日)が移動祝祭日となります。

 こうして見ると、中国暦、ヒジュラ暦(イスラム暦)、サカ暦(バリで使われてきた太陰・太陽暦)など様々な暦を背景とする宗教のお祝い事ばかり。

 特にニュピと呼ばれるサカ暦新年は、バリ島において「静寂の日」とされていますが、夜明けから労働、外出、殺生、灯火の使用などが禁じられていることが、地元民のみならず、観光客にも適用される祭礼の日となります。当然、飛行機も飛びません。いかに人びとにとって信仰が大事であるかということの証左ですね。      (続)

(筆者は2020年までインドネシア在住)

年越し(西暦の新年)を控えたジャカルタ市内の中華街(グロドック)の一角にて。縁起の良い赤色のカレンダーなどが大小たくさん売られている。
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