2022年09月30日 1741号

【連合会長、「安倍国葬」出席表明/「反共」は統一教会仕込みか】

 労働組合の中央組織・連合の芳野友子会長が、安倍晋三元首相の「国葬」に出席すると表明した。傘下の労働組合から「欠席すべきだ」との意見も出ていたが、「労働者を代表して弔意を示さないといけない」と判断したのだという。

 安倍元首相は「企業が世界で一番活躍しやすい国」をつくると公言し、雇用制度の破壊を進めてきた。低賃金・非正規雇用化を加速させた張本人なのだ。そうした「労働者の敵」を讃える国家儀式に、どのツラ下げて参加するというのか。

 もっとも、芳野会長は自民党の会合に出席するなど、政府・自民党へのすり寄りが際立っている。彼女にしてみれば「安倍国葬」への参加は当然のことなのだろう。「苦渋の判断」はポーズにすぎない。

 さて、芳野は「共産党と共闘する候補は選挙支援できない」と公言し、野党共闘路線を妨害してきた。彼女の反共思想は富士社会教育センターで指導されたものと言われている。同センターは松下正寿元参院議員らが理事長を務めてきた活動家養成機関である。松下は世界平和教授アカデミー初代会長を務めるなど、旧統一教会のお抱え学者として知られている。

 「組合役員になると共産党系の組合と闘った過去を学んだり、相手から議論を仕掛けられたらどう切り返すかというシミュレーションをしたりした」(毎日新聞電子版・2021年12月25日公開)と芳野は述べていた。その内容はセンターの反共教育そのものだ。

 統一教会の反共思想に染まった者が教団の広告塔だった安倍元首相の「国葬」に参列する―。それは当然のなりゆきかもしれないが、「労働者の代表」を詐称することは断じて許せない。参加したいのなら連合会長を辞任し、“壷なかま”として行ってくれ。 (O)
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