2022年10月07日 1742号

【議会を変える 市民と変える/市民が勝った市長選 大阪府交野市議 松村ひろ子】

 9月4日投開票の交野(かたの)市長選挙で、山本けい前市議が921票差で当選しました。山本前市議の「市民みんなでまちづくりをおこなう」思いに多くの方が賛同し、今の「市政運営を変えてほしい」という市民の思いが投票結果に繋がったものだと思います。記者会見で「私が勝ったのではなく、市民が勝った」と応えている姿が印象的でした。

 得票数は山本けい1万5816票、黒田実1万4895票、下高原正男457票。

 黒田実前市長はこの4年間、「福祉・教育切り捨て、箱もの行政、総民営化」の施策を行ってきました。ゆうゆうバス(福祉バス)の廃止、小中学校廃校を伴う施設一体型小中一貫校建設計画、100億円の市役所移転計画などです。

 ゆうゆうバス廃止をめぐっては、1万筆の反対署名運動があり、市の審議会でいったん否決された廃止案を強行したことに市民の怒りがふきだしました。

 また、保護者への説明を欠いた小中一貫校建設をめぐっては、市民から住民投票条例署名運動がおこされ、有権者の1割以上の署名が集まったにもかかわらず、市長反対意見、議会多数与党によって住民投票が否決。そのことによって、「市民の声が届く市政に変えたい」という思いが市民に広がりました。「住民投票の会」は「子ども笑顔ネット」という恒常的な市民の共闘につながり、この選挙の力となりました。

 私たち5名の市議会野党議員は、市民運動に寄り添うとともに、今回の市長選挙ではブリッジ共闘も行いながら、山本候補を支えてきました。市民運動に支えられ、市民と共に新しい市長を誕生させた4年間でした。

 これから、公共交通の充実、施設一体型小中一貫校や庁舎整備の見直しなど、大きな市政転換となるにあたって、現場に様々な難しさが生じると思いますが、これまでの市政運営とは異なり、そのひとつひとつを丁寧に市民に説明をしながら「みんなでつくる、みんなの交野」を実現していただきたいと思います。

写真キャプション(市民100人以上に見送られ初登庁する新市長)
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