2022年10月14日 1743号

【広島 沖縄・南西諸島は今〜進むミサイル要塞化写真展 軍事化の現状 市民に伝える ZENKO・広島 日南田成志】

 ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)・広島は9月22〜30日の9日間、広島市内で「沖縄・南西諸島は今〜進むミサイル要塞化写真展」を開催しました。

 この写真展のきっかけは、7月末2022ZENKOin大阪の分科会決議でした。沖縄からオンライン参加した「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会」の新垣邦雄さんが、やまとと沖縄の危機感のギャップに言及し、いったん有事体制が敷かれると沖縄・南西諸島のみならず日本全体が戦争状態に組み込まれることを強調。その時に、ミサイル要塞化写真展を全国でやってほしいと要請されたのです。

 この提起は分科会決議としても採択され、以降、広島でも何とか実現できないかと広島の仲間と相談し、会場探しを始めました。

リアルな基地建設状況

 会場には、東アジア共同体研究所琉球・沖縄センターから借りた百数枚に及ぶラミネート加工のパネルに、沖縄ドローンプロジェクト奥間政則さんの画像資料を加えて展示しました。

 パネルは、奄美大島、馬毛島(まげしま)、沖縄島、石垣島、宮古島、与那国島で進行するミサイル基地、弾薬庫の建設状況とそれに抗議する地元の運動がキャプション付きでわかりやすく解説されたものです。中国の軍事力を封じ込めるためと言いながら、実は南西諸島へのミサイル配備によって島々を攻撃拠点とし、軍事的な緊張をいっそう高めて一触即発の状況を作り出していることを警告しています。

 最近では政府によるシェルター建設の計画が暴露され、戦争が起きることを前提として沖縄を再び捨て石とする政策に抗議の声が上がっていることも最新の新聞記事で伝えました。

 開催した場所は、市内でもっとも人通りの多い「本通り商店街」近くに位置する来館者の大変多い施設の1階ロビーです。期間中、朝9時半の開館から夜10時閉館まで、1日平均300人弱の来館者があり、そのほぼ全員が通るロビーで開催したことになります。決して広くはないスペースに、10枚のボード裏表を利用して文字通り所狭しと100枚以上のパネルを展示することができました。

捨て石の言葉突き刺さる

 会場にQRコードを掲示してオンラインでアンケートをお願いしました。寄せられた声を紹介します。

 「狭い島が完全に基地の島になっていることが、一目瞭然です。本土であまりメディアが取り上げていないせいで、本当にひどい状態であることを多くの人は知りません。この展示が沖縄の状況を知るきっかけになることを願います。ありがとうございました」「琉球弧の軍事基地化と言葉では知っていたつもりでしたが、奥間さんをはじめとしたドローン撮影で生々しく軍事基地へと変貌していく様子を感じることができました。予想以上に、多くの南西諸島が軍事基地にされている。南西諸島が戦場の最先端にされてしまう。琉球新報の記事『捨て石となった構図そのものだ』という言葉が突き刺さりました」

 *   *   *

 広島市周辺には極東最大級と言われる3か所の米軍弾薬庫(川上、広、秋月)があります。30キロほど西には、米海兵隊と自衛隊が共同使用する岩国基地があり、この間のウクライナ情勢で戦闘機の離発着が激化しています。沖縄・南西諸島のミサイル要塞化を日本全国の軍事化の最前線と捉え、軍事力によらない東アジアの平和を切り開くため、今後も地道にやまとと沖縄のギャップを埋める活動を広げていきたいと思います。



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