2022年10月14日 1743号

【「君が代」調教NO!松田さん処分取消裁判 11月勝利判決へD-TaCが総会 声上げた久保元校長講演で共感広げる】

 「『君が代』調教NO!松田さん処分取消裁判」は、8月22日の原告最終陳述で結審、11月28日判決という重要な局面を迎えている。原告の元大阪市立中野中学校教員・松田幹雄さんを支える市民団体D-TaC(Democracy for Teachers and Children)は9月22日、7周年総会を市内で開催し、50数人が参加した。

 記念講演として、昨春大阪市に「提言」を出し維新の競争教育を真っ向から批判した元小学校長、久保敬さんが想いを語った。40年近く人権教育を担う中で「学校は暮らしの場、人材工場なんかじゃない!」という教育の原点に触れ、参加者それぞれが共感し、心豊かになる時間を共有。「『ひとりひとりの子どもを大切にする』原点を改めて譲るべきでない」「嘘なくものを言う、温かな目線がどんなに大事か。何度も思いました」など、多くの感想が寄せられた。

 久保さんの「提言」に大阪市教委は「文書訓告」という処分を科した。処分は不当極まりないが、当時久保校長が在任中の木川南小学校の子どもたちや保護者、提言に教育の原点・希望を見出した全国の人びとの応援が、懲戒となる処分まではさせなかった。退職後は、「声をあげ続けいろいろな人とつながり市民運動にかかわっていきたい」と精力的な講演活動も。

 講演の中で、提言書を出した久保校長の処分を心配した同校保護者の「お名前や役職を公表して意見を述べられたことは、子どもたちに正々堂々とおかしいことはおかしいと声を上げてもよいと、子どもたちに行動で見せて、大切なことを教えてくださいました。この学校で我が子が学べることに感謝し、誇りに思います」との手書きの手紙も紹介された。厳しい維新教育支配下で声を上げた行動が大きな財産となり、大阪の競争教育に抗う一石を投じたことが改めて確認できた。

維新支配破る判決へ全力

 処分撤回を闘う松田さんは、11月28日判決日までに、裁判所前の2回のチラシ配布、そして処分時の地元校校区(東住吉区)での駅頭宣伝活動など精力的に取り組んでいることを報告。勝利判決へ決意を表明した。

 国葬反対も含め運動のつながりの中で、「考えさせず意味もわからず歌わせる『調教教育』は子どもたちへの重大な人権侵害」と訴えを広げ、維新の教育支配を変える勝利判決を勝ち取ることを参加者一同で確認し、総会を終えた。

(D-TaC 田中秋子)



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