2022年10月28日 1745号

【9月26日 市長提案の市役所移転条例案を否決!! 市民の声が議会動かす 大阪・枚方市】

 75年間の枚方(ひらかた)市政の中で、50年ぶりの画期的な出来事です。本条例の議決は、議長を含む30名の議員の3分の2(20名)以上の賛成を必要とする「特別多数議決」です。結果は賛成18、反対12で「否決」。
迷走した建て替え問題

 枚方市にとって老朽化した市庁舎の建て替えは防災上最重要課題です。

 最初は、枚方市総合文化芸術センターの竣工と共に、解体撤去される市民会館大ホールなどの跡地(市有地)に市役所を建て替える計画でした。ところが、2018年の市駅周辺再整備基本計画では、その市有地に民間企業のタワーマンションが2棟も聳(そび)え、肝心の市役所は国と枚方市で建てる合同庁舎の一部として、駅から今よりも2倍遠い、元の北河内府民センターの位置に移転することになります。

 枚方市がこの案を実現するには、北河内府民センター跡地を取得して国との合同庁舎を建設しなければなりません。総事業費は855億円に、市の負担は369億円に増え、おまけに5千人規模、約90億円の公設「アリーナ」と新庁舎の合築案まで出現。財政見通しはさらに厳しくなりました。

 一方、枚方市の一等地である市民会館大ホールなどの跡地は売却され、民間企業の意のままに複合施設の上にマンションのあるタワービルが建設されます。民間企業の利益を優先するが故の市庁舎移転。「初めに移転ありき」で進めるが故のこの迷走ぶり。市民説明会を!市民の財産を勝手に売るな!の声にも押され、市議会がついに動きました。「移転条例案否決」です。

運動は第2ステージへ

 市民の会は、出来ることはすべてやり切りました。採決の日の前日まで、市議会議員に向けてファクス・電話・メールの発信を続け、今回の条例案は否決されました。しかし、市長は諦めていません。来年の市議会選挙で「大阪維新の会」は議席の増加を狙っています。

 民主主義と地方自治の破壊を食い止め、市民参画で枚方市の未来を開かねばなりません。運動は第2ステージへと進みます。(平和で豊かな枚方を市民みんなでつくる会・駒木根淑子)

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