2022年10月28日 1745号

【「議会を変える」大阪府茨木市議 山本よし子 茨木市に新しい病院ができる】

 「茨木市にもっと病院を」という市民の要望が大きく、新しい民間病院の誘致に市民の関心が高まっています。

 市は今年度、誘致病院選定委員会を立ち上げ病院を公募し、2029年開業に向けて準備を進めています。場所は阪急茨木市駅東口に隣接した市の用地で、現在は市営の駐車・駐輪場の所です。茨木市の東地区は病院が少ないこともあり、200床以上の総合病院の誘致については市民の歓迎の声が上がっています。

 しかし、公募の内容を見ると、多くの問題があることがわかりました。

 (1)賃貸料の問題。予定地は駅隣接の商業地で茨木の一等地で、評価額として算定した賃貸料は1か月約900万円。これを誘致した病院に開業後20年間は免除するもので、総額約22億円の免除となります。また「地中障害物の撤去費用は市が負担する」となっています。これほど優遇するのであれば、民間病院とはいえ、診療内容や条件等に市民の要望をしっかりと反映させることは必須です。

 (2)渋滞緩和のための周辺道路の拡張、整備、新たな駐車場、駐輪場の確保にも市費が使われます。老朽化した駅西口の駐輪場をどうするかと合わせて計画を進めていかなければなりません。

 (3)誘致する病院は、茨木市以外の三島(みしま)二次医療圏(摂津市・高槻市・島本町)で現在開業している病院です。この医療圏を区域とする地域医療削減構想の下での計画で、「新たに病床を増やすことはできない」との市の対応では、地域全体の病院や病床の数は変わらないどころか減ることにもなりかねません。病床増なし≠ニいう市の姿勢の見直しを迫る必要があります。

 (4)子育て世代からの要望の多い小児科は入るものの、休日の救急診療はしないとされています。小児救急は、現状通り高槻市の救命センターを利用しなくてはいけません。

 新しい病院ができるとは言っても、誘致の段階から様々な問題が見えてきました。議会での具体的な追及はこれからですが、ひとつひとつていねいに問題を取り上げ、市民の要望が生かされる病院の誘致を進めていきます。

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