2022年12月16日 1752号

【1752号主張 戦争国家への暴走/いま岸田内閣打倒の時】

敵基地攻撃能力保有合意

 岸田自公政権の戦争国家への暴走が続いている。自公両党は12月2日、敵基地攻撃能力(反撃能力)保有で合意した。中国に届く長射程ミサイルを配備し「相手国が攻撃に着手した」と判断するだけで攻撃できる。実質的な先制攻撃能力だ。交戦権否定・戦力不保持をうたう憲法9条はもちろん、国連憲章など国際法に違反し、従来、政府が建前としてきた「専守防衛」にすら反する。断じて許されない。

 岸田政権は年内に「安保(軍事)3文書」を改定し敵基地攻撃能力を盛り込む。国会審議を拒否し、閉会後に閣議決定して1月の日米2プラス2(外務・防衛大臣会合)に持ち込む算段だ。阻止しなければならない。

岸田に殺される

 岸田首相は財務・防衛大臣に、2027年度の軍事予算を国内総生産(GDP)比2%まで増額するよう指示した。すでに5・4兆円にのぼる巨額の軍事費を11兆円に倍増する。財源として、政府有識者会議は「国民全体で負担」を提言する一方、財界の要求を受け法人税増税は除外。大衆増税がねらわれている。

 軍事優先で生活破壊放置の上、増税までもくろむ岸田内閣の支持率は続落。11月28日公表の世論調査では、日経37%、共同33%とともに過去最低を更新した。ツイッターでは「#岸田に殺される」が拡散され、「防衛費のために増税を望む国民がいると思いますか」と怒りが広がる。

 ひと月で3閣僚が辞任に追い込まれ、今も秋葉復興大臣をはじめ腐敗、統一教会癒着、差別の大臣・副大臣・政務官を抱える岸田内閣は総辞職するほかない。

対話・外交と共闘強化

 岸田政権を追いつめ戦争への暴走を止めるためには、中国・朝鮮脅威論にあおられ、「反撃能力保有賛成」60・8%、「防衛費増額不要」24・9%(11/28共同)という世論を反転させることだ。「中国の台湾侵攻」が叫ばれるが、台湾が独立しなければ中国は武力統一しない方針だ。台湾市民も現状維持が世論の多数を占める。日本政府は、沖縄・琉球弧から日本全土を戦場にするミサイル発射台化≠いますぐやめ、米中台を仲介し「台湾有事」「米中、日中戦争」を回避する外交を尽くすべきだ。

 市民と野党の共闘の分断も克服しなければならない。市民の運動の力で、軍拡・増税・改憲を後押しする維新と立憲民主との連携を許さず、戦争を阻む共同を広げなければならない。

 「軍事費増やして生活壊すな!」日比谷集会(11/30)には1500人が結集。戦争法闘争以来となる国会請願デモでは立憲野党がそろい踏みで市民を迎えた。対話と外交、市民と野党の共闘強化の大きなうねりをつくりだし、大軍拡・増税阻止、岸田内閣打倒へと進もう。

   (12月3日)
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