2022年12月16日 1752号

【ZENKOスピーキングツアー京都/「人が集まれば止められる」辺野古バス運行に支援呼びかけ/まだある不承認理由を生かせ】

 ZENKOスピーキングツアー京都会場(11/30)には沖縄平和市民連絡会の北上田毅さんが来場。辺野古新基地建設をどう止めるか、講演した。

 建設工事はいまどうなっているのか。「4年間で、全体の12%程度しか土砂は入っていない。焦っているのは防衛局」と北上田さん。だが、土砂の運搬は続いている。海上輸送の搬出元である本部町塩川港での抗議行動(11/11、11/12)は通常1日800台のダンプ運搬を200台にまで抑えた。「人が集まればもっと遅らせることができる」と、現地の闘いへの参加を呼びかけた。

 北上田さんは、自治体の土木技術者として働いていた経験を生かし、埋立設計や行政対応の問題点について、鋭く追及している。

 軟弱地盤対策の調査不備などを理由とした県の設計変更不承認をめぐり、県と国との訴訟について触れた。「現在3件の訴訟があるが県は劣勢だ。たとえ敗訴しても、再度不承認にすることができる」。県が不承認理由にあげていない問題点がまだまだあるからだ。

 まず「南部地区の土砂による埋立問題」だ。南部地区は沖縄戦の激戦地。採取される土砂には遺骨が混じる。知事は、南部地区の土砂が使用されるかどうかわからないとの防衛省の弁明を受け入れ、不承認理由にはしなかった。しかし、「(設計変更で)土砂採取の候補地として認めては、阻止することはできない」と北上田さんは強調する。人道上の問題だけではない。土砂運搬のダンプが生活道路を走ることの影響を防衛省は調査・予測していない。環境アセスメント法に反する行為だ。

 「耐震設計」の問題も大きい。政府の地震調査委が3月に公表した長期予測。マグニチュード8クラスの巨大地震発生の可能性を示した。県の試算では辺野古での津波の高さは12m。新基地標高8mを4mも上回る。その場合、基地内の有害物質が流出する可能性もある。環境部が指摘した「環境保全への配慮が不十分」な点は、不承認理由にはほとんど入っていない。

 なにより、新基地が日米共同使用となる可能性があることだ。防衛局は「共同使用は考えていない」と県に回答しているが、南西諸島の状況を見れば、ウソであることは明らかだ。普天間基地の代替施設という辺野古埋め立ての目的、理由そのものがウソになる。

 北上田さんは最後に、那覇から辺野古へのバス運行を支えるカンパを呼びかけ「人が集まれば、土砂搬入は止められる」と改めて強調した。

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