2022年12月16日 1752号

【みるよむ(641) 2022年12月3日配信 イラク平和テレビ局in Japan 女性抑圧に抗議するイラン市民 イラクで全世界で連帯デモ】

 2022年9月17日、イランで「ヒジャブ(スカーフ)を適切に着ていない」ことを理由に逮捕された22歳の女性マフサ・アミニさんが警察に殺害された。

 イラン全土でこの事件に対する抗議と政権打倒を求めるデモが続き、イラクでも連帯する行動が広がっている。10月、サナテレビがイランとイラクの市民の闘いを伝えた。

 イラン・イスラム共和国では、法律で女性は外出する際にヒジャブで髪の毛を隠さなければならない。街の中では「道徳警察」が目を光らせ、違反者は厳しく注意され、逮捕・監禁され、暴行を受けることもある。

 事件が発覚した直後から、イラン全土で抗議デモが広がった。街頭で公然とヒジャブを外し、燃やしたり、髪の毛を切って抗議する女性が続出した。一方でイラン政府当局は残忍な弾圧を加えている。逮捕者は1万8千人、殺害された人は1千人とも言われる。

 サナテレビは、イランの女性、学生、市民の抗議行動と共に、イラク国内の連帯デモを報道した。バグダッドでは「ヒジャブの強制は女性の自己決定権の侵害だ」と書いた横断幕を掲げたデモや集会が行われた。

日本からも連帯を

 イランのイスラム政権が倒されれば、イラン政府と結びつき同じようにイスラム教による宗教支配を強めているイラクの政権と政治家が追い詰められる。だからこそイラク民衆はイランの闘いに連帯している。

 イラク北部のクルディスタン地方でもイラン民衆への連帯デモが展開されている。世界中に連帯行動が広がる。グローバル資本の戦争と暴力による支配を世界の市民が終わらせる闘いでもあるからだ。

 イランでは抗議行動がさらに続いている。イスラム政治勢力の支配に苦しむイラクや中東各国、そして世界中で広がる連帯行動に、日本からも合流したい。

(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)

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