2022年12月23日 1753号

【議会を変える 大阪府茨木市議 山本よし子 「開発」と「市民生活切り捨て」】

 茨木市にはいま、「開発」の波が押し寄せています。市の中心部にある市役所の隣では、来秋完成をめざして新しい市民会館の工事が急ピッチで進んでいます。この建物は、図書館、市民活動センター、子育て支援センターも入る複合施設です。様々な機能を一か所に集めることで利便性が謳われています。しかし、施設の中に民間が運営する有料の「屋内遊びのひろば」を作るなど、市民にとってほんとうに利用しやすいものになっているかは疑問です。

 また、市中心部の阪急茨木市駅に直結する場所に、新しい総合病院の誘致が決定しました。ところが、子育て世代からの強い要望のある子どもの救急については、夜間休日の受け入れができるのかはまだ協議中。検証が必要です。

 一方、周辺部には大型の倉庫や配送センターなどが次々に建設され、物流のための新しい道路による従来の生活道路寸断、工場や倉庫の夜間照明「光害」など、住民から訴えが出ています。

 「開発」の波の中で市民生活が置き去りにされています。

 問題が深刻になっているのが北部の住宅地、山手台地区です。山手台は、山間部を切り拓いて作られた「ベッドタウン」。世帯数約3千戸、人口約6千人の街で、近年高齢化が進んでいます。

 最近、地域内唯一のスーパーマーケットが突然閉鎖する事件≠ェ起こり、一気に問題が噴き出しました。

 コンビニも商店もないので住民は「買い物難民」状態になってしまいました。病院に行くのも車がないと不便で、代わるものがありません。バスは運賃が高く、「夜間割り増し」まで導入されています。地域の住民からは「周りの山がどんどん削られ、工事の車はたくさん走っているのに、私たちはどこにも行けない」と悲痛な声が出ています。

 近くの地域でも、今まで1時間に1本あったバスが2時間に1本と急に減らされたところもあり、住民の足の確保が大きな課題です。

 デマンドバスの運行、高齢者の運賃補助、高齢者へのタクシー券の充実などを市に要求し、市内のどこに住んでいても安心して暮らせる茨木市をめざしていきます。

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