2023年09月08日 1787号
【汚染水流すな 海を汚すな/官邸前、東電前で抗議/ストップ放出の新たな闘いへ】
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「岸田官邸が『関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない』との約束を反故(ほご)にして海洋投棄を強行しようとすることに満腔の怒りをもって抗議する」。8月22日午前、汚染水放出開始を決定する関係閣僚会議に向けて「さようなら原発1000万人アクション」の瀧秀樹さんが怒りをぶつける。「“処理水”の中にはトリチウムだけでなく他の核種もたくさん含まれる。そのことが報道されず、国は『安全だ』と言い続けている。この暴挙を絶対に許さない」
急きょ駆けつけた230人は「未来の世代にツケを残してはならない」「太平洋は東京電力のゴミ捨て場ではない」と訴え、「汚染水を流すな」「岸田は約束を守れ」「海を汚すな」「漁民の声を聞け」とコールを重ねた。
汚染水海洋投棄が強行された24日には、東京電力本店前に400人が集まり、闘いの継続を呼びかけた。
参加者は「海を殺すな、命をまもれ」「汚染水を海に流さないで」などのプラカードを掲げる。
発言の多くが汚染水の実害を指摘し、投棄ストップの新たな運動へ決意を明らかにした。たんぽぽ舎の柳田真代表は「事故で発生した汚染水を海に流すのは世界で初めて。内部被曝の危険性がある。陸上保管して半減期を待つべき。今後、東電前での行動が重要になる」。原子力規制を監視する市民の会の阪上武さんは「人体に影響を及ぼすトリチウムなどを海に流すことは犯罪。風評被害ではなく実害だ」と政府・東電を糾弾した。
韓国からの参加者は「中国・韓国だけでなく、太平洋島しょ国をはじめ多くの国ぐにから懸念の声が。日本のメディアは政府のプロパガンダの役割を担っている」、在日コリアンは「IAEA(国際原子力機関)や日米韓首脳が韓日関係改善の手段として汚染水放出に合意しているに過ぎない」と指摘した。
9月8日には、漁業者を含む福島の住民らが放出差し止め訴訟を起こす。主催者から「放出は30年以上続くとされる。放出されたらおしまいではない。毎月24日をストップ放出の日として取り組もう」と新たな闘いが呼びかけられた。
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