2023年11月03日 1795号

【議会を変える/東京都足立区議/土屋のりこ/決算特別委員会は真剣勝負!】

 6日間にわたる決算特別委員会が終了した。議会の半分の議員が委員を務め昨年度決算について審議をするのだが、終わった事業を審議するだけではない。決算委の開催される10月は来年度予算編成が本格化する時期だ。新年度予算に支援者からの要望がしっかり組み込まれるよう、現状の課題を指摘し改善の必要性を訴え、新規事業の政策提案を強く求める場となる。

 75分間の持ち時間の中で、ポピュレーションアプローチ≠ニしてリスクにかかわりなく全産婦への支援策、介護保険の値上げ阻止、高齢者への給付策拡充、マイボトルサーバーの改善、障害者事業補助の改善、補装具費の支給の拡充、給付型奨学金やミライゼミ(低所得世帯高校生への支援)の拡充他を求めた。

 とりわけ力を込めたのが、少子化対策としての全妊産婦への支援策の拡充だ。質疑で明らかになったのは、今のままだと222年後には足立区の人口はゼロになるということ。私からは、出生率を改善するために必要なのは「貧困をなくし格差をなくすことだ」と指摘した。人を大切にする自治体経営へと舵を切り、豊かさを実感できる賃金・暮らしを実現させる経営にシフトしないと足立区の未来はないのではないか、と。

 その観点に立ち、貧困をなくすための支援策の拡充や子どもを産み育てられる環境整備を全力で進めるべきとの視点から、すべてのゼロ歳児と親への支援策を求めたところ、なんと大きな前進が。私の一連の代表質問等を受け、全庁的に部長や課長で兵庫県明石市へ視察に行き、区としてできることは何か検討が開始された旨が答弁された。議員活動も9年目に入ったが、こんなに画期的なことは初めてだ。

 他にも、障害者補装具のレンタル制度新設、マイボトルサーバー改善、LGBT家族の居場所作りなど、さっそく改善が図られる動きとなった。

 議会質疑という真剣勝負の中で、多々成果が実った決算委員会だった。これらがきちんと事業化されるまで気は抜けない。進捗(しんちょく)を確認し、1日も早い実現のために力を尽くしていきたい。

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