2023年11月17日 1797号

【沖縄を戦場にさせるな/各地に広がる上映会】

沖縄を再び戦場にさせないために/「命こそ宝」の心の音色を観てほしい/大阪・茨木市

 『かんからさんしん』上映会の話が出たとき、私は何のことか全くわからなくて戸惑いました。絵本『かんからさんしん物語』を基に、アニメ映画化された作品とのことでした。

 早速、絵本を読んでみました。絵があってやさしい文章とあいまって読みやすくなっておりました。しかし、内容は、主人公の少年「マサ」の目を通して、沖縄戦の悲惨さを強く伝えた作品と思いました。

 戦局は悪くなり、空から、海から攻撃が続き、村人たちは「ガマ」(注)に立て籠(こ)もり、終(つい)には「全員玉砕」の指示のもと手榴(しゅりゅう)弾が配られました。

 少年「マサ」も手榴弾に手をかけようとしたその時に、死んだと思われていた「いとこのユキ姉さん」の歌声が「ガマ」に伝わってきたのです。「マサ」の、父さんから譲(ゆず)られた「三線(さんしん)」は壊れていたので、手作りの「三線」すなわち「かんから三線」で島歌の音色が蘇(よみがえ)りました。「三線」の音色は、沖縄の人々の心のより所となっています。私にもその「三線」の音色が聞こえてくるような感じがしました。

 沖縄を再び戦場にさせてはなりません。しかし、現在「台湾有事」を口実に沖縄・南西諸島は、軍事要塞化が加速されております。

 沖縄戦を正面から振り返り、戦争か、平和か、考えてみましょう。ぜひ、アニメ映画『かんからさんしん』をご覧になってください。

 11月25日(土)茨木クリエイトセンターにて上映会(13時30分、16時、18時30分)を開催します。

◆お問い合わせ(080-3113-2304 UIH42927@nifty.com 山本よし子)

(憲法いかそう茨木市民の会・川村幹雄)

(注)琉球石灰岩台地の自然洞窟を沖縄では「ガマ」と呼ぶ。沖縄戦では住民の最後の避難場所だった。







労働組合が『沖縄、再び戦場へ』上映会開催 組合員とともに地域の活動も/兵庫・西宮市

 10月20日、秋晴れの日、兵庫県西宮市の甲東ホールにて武庫川園労働組合主催(平和と福祉のまち西宮をつくる会共催)の『沖縄、再び戦場(いくさば)へ』(三上智恵監督)スピンオフ上映を午後3時と6時の2回、行いました。

 会場には 「西宮空襲語り継ぎの会」からお借りした、太平洋戦争当時の西宮市街地への爆撃後などのパネルも展示。実際に戦争となった惨禍も伝えました。

 開催を報じた朝日新聞の告知板、三上監督のホームページを見た方が次々と来場。8名のスタッフ以外に14人が参加されました。

 最初に、武庫川園労組委員長・山川から、労働組合が沖縄の反基地の問題を取り組んできた原点である、ひめゆり学徒隊・宮良ルリさんから学んだ「命(ぬち)どぅ宝」=命、人間の尊厳こそかけがえのない宝という思いについて報告。続いて、「つくる会」広田代表の心のこもった三線(サンシン)演奏があり、映画を上映しました。

 参加者からは「サンシン良かったですよ」「住民が集めた署名を悪用し、圧力をかけるなど国は、住民が苦しんでいる現状に寄り添っていないと感じました」「ニュースで少し知っている程度で、中身はあまりわかっていなかった」など、45分の映像から感じた思いを感想として寄せていただきました。

 これからも地域の労働組合として、組合員らと協力し、地域の中での活動にも取り組んでいきたいと思いました。

(西宮市 武庫川園労働組合 山川広美)

MDSホームページに戻る   週刊MDSトップに戻る
Copyright Weekly MDS