2023年11月24日 1798号

【ニホンゲンマ労災解雇裁判第1回口頭弁論 報復解雇撤回させ復職する 堂々と原告意見陳述】

 11月10日、はんだ製造販売会社、ニホンゲンマ労災解雇事件の第1回口頭弁論が大阪地裁405号法廷で行われた。この事件は、なかまユニオン組合員であるAさんが会社でけがをし、労災を申請したところ退職強要された事件だ。

 この日、やや緊張した面持ちで法廷にやって来たAさん。スーツにネクタイでバシッと決めていた。会社側は弁護団を含めて全員が欠席だった。こちらは支援者19名が傍聴に参加した。原告意見陳述でAさんは「作業中にけがをし、労災を使ったところ、突然社長に呼び出され退職強要され、拒否すると解雇された。労災を使ったことへの報復解雇だ。解雇には断固反対し、復職して働き続ける」と力強く述べた。

 終了後、弁護団から今回の口頭弁論の要点と意見陳述の意義が解説された。波多野進弁護士は「解雇撤回させるため、これからも傍聴をお願いしたい」と参加者に呼びかけた。團野(だんの)彩子弁護士は「会社側のおかしな主張にはしっかりと反論していきたい。Aさんはしっかりしているので大丈夫」と激励。「労災申請だけでなく、会社の行事(ボウリング大会、盆踊り)に、Aさんは定刻通り来たのに、開始10分前に来なかったから解雇だ、などおかしいところは指摘していく」と述べた。

 Aさんも「解雇撤回に向けて頑張る。皆さん応援よろしくお願いいたします」と決意表明した。現在ニホンゲンマは団体交渉を拒否。第1回の団交で、社長は自ら言いたいことだけをまくし立て、それ以降の話し合いを拒絶している。なかまユニオンは不当労働行為に対する救済申し立てを準備している。必ず団体交渉に応じさせ、解雇を撤回させなければならない。

 次回期日は、12月7日(木)11時30分より大阪地裁810号法廷で行われる。裁判傍聴に参加し、ぜひ力をお貸し願いたい。

(なかまユニオン執行委員・高橋麻理)



原告Aさん意見陳述 暴言、脅迫、一方的解雇通告 謝罪と撤回を求める

 私は、作業現場において指を骨折するけがを負い、けがをした翌日、唐突に社長から個別面談の呼び出しがありました。

 社長は「退職を通告するために呼び出した。労災も使われて会社は非常に迷惑。3か月だけ最後のチャンス、課題を与えるけど、できなければ強制的に解雇する。意思や希望は受け付けない。開発技術部に在籍していた時に、労務提供が不完全であったのでその時点でもうすでに解雇ができていた」などと通告されました。

 全くいわれのない突然のことに気が動転しました。

 部署移動の際も理由の説明などは一切なく、いきなり数日前に唐突に異動するように言われました。

 工場に配属になってから、一方的に反省文、努力文、始末書を書かされ、まともな説明と弁明の機会も与えられないまま、唐突に社長から懲戒処分を受けました。

 会社側は、私に改善の機会を与えたかのように装い、強引に部署移動をさせ、強引に反省文などを書かせて、あたかも懲戒処分や解雇ができるように見せかけているだけのように感じます。

 根本として、今回の解雇に至った決定的な理由は、社長が私に述べたとおり、私が労災を使ったことへの報復的措置であると感じております。

 また、面談においては、社長から暴言や脅迫、侮辱的な言葉を浴びせられ、心に深い傷を負いました。

 被告がそれらに対する謝罪を行うと共に、懲戒処分ならびに解雇を撤回することを強く求めます。

 裁判を通じて、職場に復帰して引き続き就労すること、被告が職場を改善することを希望しております。

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