2024年01月05日 1804号

【1804号 代執行訴訟不当判決/辺野古強行止め 岸田を倒す】

辺野古ありきの国策判決

 12月20日、沖縄・辺野古新基地建設の代執行訴訟で福岡高裁那覇支部は沖縄県に対して25日までに設計変更を承認するよう命じた。実質審理もせず国の主張を全面的に認め、県民の民意を一顧だにしない不当判決であり断固抗議する。国は年内にも代執行を強行し、来年1月にも大浦湾側での工事を始める構えだ。

 国が地方自治体の事務を代執行した事例は前代未聞だ。これがまかり通れば地方自治体が反対しても、どんな「国策」も強行できる。国と地方の関係を対等とした地方自治の根幹に関わる危機であり、全国の問題だ。

 判決文の内容は明らかに矛盾している。前段部分では沖縄県の主張する「対話」を否定し、代執行以外に方法はないとした。しかし、末尾の付言では「さらなる設計概要変更などの必要が生ずる可能性もあり」その都度「繰り返し訴訟による解決が図られることは相当とはいいがたい」とする。また「歴史的経緯等を背景とした本件埋立事業に対する沖縄県民の心情もまた十分に理解できる」と民意に言及し、辺野古の問題は「国と県とが相互理解に向けて対話を重ねることを通じ、抜本的解決の図られることが強く望まれる」としている。民意を完全には無視できないのだ。

新基地は止められる

 市民はあきらめていない。判決当日、県庁前ではオール沖縄会議が緊急集会を行い、300人が「不当判決に屈しない」と声を上げ、辺野古現地でも闘いが続く。

 玉城デニー知事は25日、「判決にはさまざまな問題があり、建設反対の県民の負託から承認は困難」と設計変更を承認せず、最高裁に上告する方針を示した。

 仮に代執行で強行しても、軟弱地盤、耐震性など根本的な問題がなくなる訳ではない。県内15市民団体は承認を再撤回するための第3者委員会の設置を要請した。粘り強く闘うことで、辺野古新規建設は阻止できる。

岸田倒し軍事化阻止へ

 岸田政権は、戦争・軍拡路線を加速している。辺野古だけでなく琉球弧の島々でミサイル基地建設を強行し、日米合同軍事演習を繰り返す。2024年度予算案の軍事費は7兆9496億円と10年連続で過去最高を更新。「防衛装備移転三原則」を閣議決定で改定し、迎撃ミサイルパトリオットなど殺傷能力のある武器輸出に踏み出した。憲法9条をさらに形骸化し、戦争する国へと変貌させている。

 岸田政権を退陣させ、戦争・軍拡路線をストップさせなければいけない。軍拡・増税、自民党の裏金、マイナンバーなどの問題で岸田内閣は支持率が1割台と死に体だ。沖縄を戦場にさせず、パレスチナ・ガザ、ウクライナなど世界の戦争を止めようと求める民衆と連帯し、岸田政権を退陣させよう。

  (12月25日)
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