2024年01月05日 1804号

【沖縄からパレスチナへ/植民地主義に抗し、自己決定権を取り戻す/DSAオンラインセミナー】

 DSA(アメリカ民主主義的社会主義者)国際委員会は12月10日(日本時間)、「沖縄からパレスチナへ〜軍事占領と植民地主義との闘い」をテーマにオンラインセミナーを開いた。

 同委員会のジェラルド・ダルボンさんが7月の沖縄訪問と2023ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)in横須賀参加について、映像とともに報告。ZENKO広島の日南田成志さんは11・23沖縄県民平和大集会とパレスチナ連帯行動を紹介し、「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会」新垣邦雄さんはガザと沖縄の状況を重ねて軍事化反対、即時停戦を訴えた。

 ダルボンさんがセミナーの趣旨を説明。「米帝国主義は過去数十年、世界中で軍事介入とジェノサイド戦争を遂行してきた。イスラエルのパレスチナ侵攻・ジェノサイドは米国の援助に全面的に支えられている。同じように沖縄は何十年も占領支配下に置かれ、自己決定権を否定されている。よりよい世界を築くには、資本主義と闘う労働者階級の団結した力が必要だ」

 テーマに沿い、沖縄から「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」共同代表の高里鈴代さんがレポートした。概略は次の通り。

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 女たちの会は1996年以来、沖縄戦から始まる沖縄駐留米兵による性犯罪の記録を発行し続けている。最近、第13版を出版した。

 2〜6人の兵士による輪姦があった。女性誘拐を止めようとした家族と警官が殺され、重傷を負った。レイプは至るところ、収容所・野戦病院・野原・道・井戸・軍施設内で、起きた。赤ん坊を背負った母親たちが拉致され、レイプされ、赤ん坊とともに残虐に殺された。レイプ被害者には9か月の乳児や6歳の子どもなどあらゆる年代が含まれる。米兵によるレイプの結果生まれた子も大勢いる。これらの犯罪はほとんど罰せられていない。

 ベトナム戦争時は基地周辺のAサイン(米軍公認)店で働く女性が暴力の標的になった。毎年2〜4人の女性が絞殺された。「殺されそうになった」女性、精神を病んだ女性は数知れない。独立記念日など米国の祝日には米兵が地域に繰り出し、10代前半の子どもたちが標的になる。米軍による終わりなき構造的暴力がここに示されている。

 日本政府は県民投票の結果を完全に無視した。沖縄に対する日本政府および日本国民の根深い差別を証明するものだ。

 女たちは「沈黙は暴力を支えることになる」と立ち上がった。人間の尊厳と自然環境が大切にされる真の安全保障実現に向けてフェミニスト国際ネットワークが設立され、米軍基地があるフィリピン、韓国、グアム、ハワイ、プエルトリコ、米本土、日本本土、沖縄で組織化を進めている。

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 高里さんは質疑応答でも「私たちは絶え間なく怒りと抗議、代案を示してきたが、日本政府はただ米国政府に付き従うだけ。独立できていない」と指摘。米国を変えるために「DSAのみなさんは米国で闘ってほしい」と呼びかけた。

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