2024年01月05日 1804号

【辺野古代執行訴訟不当判決 埋め立てありきの承認命令 強行許すなと全国で抗議】

自治と民主主義を守れ/屈しないとオール沖縄/那覇市

 12月20日午後、辺野古代執行訴訟で福岡高裁那覇支部は、実質審理を行うこともなく国の主張そのままに埋め立て変更申請を「3日以内(土日を除く)に承認せよ」と県に命令する不当判決を言い渡した。

 那覇市では同日夕刻、オール沖縄会議の「不当判決 代執行を許さない!」と県民集会に市民ら300人が集った。「国に追随した沖縄差別」「司法の責任放棄」と次々に怒りを表明。「日本の地方自治と民主主義を守る沖縄県民集会アピール」を採択し、「辺野古が唯一の解決策ではない。不条理に屈せず、デニー知事を支え、最後まであきらめない」と発信した。

上告 承認撤回へ 勝つ材料はいくつもある

 同集会にも参加した沖縄ドローンプロジェクト奥間政則さんに闘いへのコメントを寄せてもらった。

 ―20日の判決は、わかっていたとはいえ、みな怒りでいっぱいだ。日本の司法はもはや機能していない。

 だが、沖縄県は最高裁に上告する方針を決めた。私たちはあきらめてはいない。新たに承認そのものを撤回することも可能だ。辺野古新基地建設の問題は、軟弱地盤だけでなくいくつもある。とりわけ計画自体が耐震基準を満たしていない点は決定的だ。また、政府自身が決めた生物多様性国家戦略も活用できるし、大浦湾で貴重な新種生物も見つかっている。土砂投入などしたら、濁り水≠ノよって環境が破壊される。

 決してあきらめることなく、市民が様々なアイデアを出しあい世論を広げれば、勝ち目はある。まだまだ闘える。   (12月25日)


どこまで民意を踏みにじるのか/首相官邸前

 辺野古代執行判決に対し同日夜、首相官邸前でも抗議行動が行われ、250人が結集した。

 「これ以上の基地負担を拒否する沖縄の民意と国と対等の地方自治体の権利を蹂躙(じゅうりん)する不当判決、それを遂行する岸田政権に強く抗議する。辺野古新基地建設中止・普天間基地即時閉鎖に向けて全国で闘いを大きく広げよう」との主催者あいさつに続き、福島みずほ(社民党)・山添拓(共産党)・小西洋之(立憲民主党)各参院議員が連帯アピール。伊波洋一参院議員(沖縄の風)のメッセージが代読された。

 法廷で闘ってきた加藤裕(ゆたか)弁護士が電話発言。「判決は『沖縄県民の心情も十分理解できる』と付言した。政権が『沖縄県民に寄り添う』と言っているのと同じだ。言葉だけでごまかし、県民の不利益を放置して国策を推進する側に立っている」と厳しく批判した。

 参加した市民から「判決と代執行で軟弱地盤や南部遺骨土砂問題が消えてなくなるわけではない」「もうすぐクリスマス。イエスはローマ軍に支配され自己決定権が奪われたところで生まれた。米軍と日本に支配され、自己決定権が奪われてきた沖縄と同じだ」「屋久島沖に墜落したオスプレイは横田基地所属。1976年以来続けている横田基地公害訴訟をこれからも闘う」などの訴えが続く。

 沖縄弾圧の中枢である首相官邸に向け「戦争につながる基地はいらない」「沖縄の民意に従え」のコールをぶつけた。


関西各地でもただちに抗議 滋賀では40人が駅前アクション

 不当判決に12月20日、関西各地でもただちに市民が街頭抗議行動。

 *   *   *

 滋賀県では大津駅前アクションが呼びかけられ、40名近くの市民が集まり抗議しました。「辺野古新基地建設は断念を! 沖縄をふたたび戦場にさせない」などのプラカード・横断幕を掲げ、フライヤー入りのポケットティシュ200個を市民に配布。国の政策に地方は従えとする判決は「地方自治を破壊するもの」と批判の一言アピールも。

 この瞬間も続くイスラエルの無差別攻撃に「ジェノサイドをやめろ!」とシュプレヒコールし、全世界から戦争をなくす思いを込めたアクションでした。
(ZENKO・滋賀 岩崎晴彦)

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