2024年01月19日 1805号

【ドクター/効かない危ないワクチン・薬とノーベル賞】

 12月11日、カタリン・カリコ氏とドリュー・ワイズマン氏がノーベル賞の生理学・医学賞を受賞しました。mRNAコロナワクチンの開発に貢献したためです。

 カタリン氏は受賞のスピーチで、がんに対するmRNAワクチンの臨床試験が約250件進んでいると誇らしげに報告しています。これは大変危険です。

 mRNAコロナワクチンは、効果も害作用も正確に評価されていません。私たち医療問題研究会は、当初強調された感染を95%以上減らし害作用が少ない≠ニの発表は信頼できず、接種を推奨しませんでした。

 今では、日本などmRNAワクチン接種率が特に高い国々で新型コロナ感染症の大流行を防げず多大な後遺症・死者を出したのは明白です。臨床試験で重大な害作用が隠されていたことも分かってきました。「ワクチンが減らす入院数をはるかに超える『重篤な有害事象』が発生した」(フレイマン・ジョセフ氏)ことや、循環器疾患死亡が3・7倍になっていたことなどです。

 日本ではすさまじい有害事象が生じています。医療機関からの接種後の死亡報告数は、2023年10月まで1998人です。また、私とハーゲン・シェアブ氏は、戦後最大の死亡率の超過が2022年にあり、コロナワクチンと関連する可能性を指摘した論文を発表しています。同様の指摘は世界中からされています。

 こうしたmRNAワクチンに対する疑問が増大する中でのノーベル賞受賞でした。

 これは、抗がん剤「オプジーボ」にかかわるノーベル賞の利用のされ方と、とてもよく似ています。

 当初、オプジーボは「免疫チェックポイント抗がん剤」として、夢のような効果があるとされました。しかし、欧州臨床腫瘍学会が当初「効果あり」とされていた再発肺がんに効果なしと発表し、他にも効果なしの発表が続きました。そうした中での受賞でした。

 この抗がん剤オプジーボを批判していた近藤誠氏が死去した時、氏を誹謗中傷する文章が出ました。そこには、その抗がん剤の基礎を作った本庶佑(ほんじょたすく)氏が2018年にノーベル賞を受賞したのだからオプジーボを批判する近藤誠氏は間違っている、というものでした。

 これら2件のノーベル賞は、効かない危ない薬やワクチンの宣伝と、それに対する批判を封じる手段として使われる危ない賞≠ニもいえます。

  (筆者は小児科医)
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