2024年01月26日 1806号

【深まるパレスチナ女性の二重の苦しみ/“複合差別”とたたかう国際女性デ―に/OPEN〈平和と平等を拓く女たちの絆〉代表 茨木市議 山本よし子】

 2024年が明けましたたが、世界で起きている戦乱は一向に終わりません。特にパレスチナでは、ガザに対するイスラエルの攻撃が続き、すでに2万人以上の市民が殺害されています。その7割が女性と子どもたちだと報道されています。

 女性や子どもたちは戦争で最も被害を受けやすい存在です。ガザでは、電気、水、食料、住居、医療品などがこと欠き、200万人以上の市民が死に直面している状況です。今すぐ停戦を求め、「軍事占領をやめよ」と声を上げましょう。

 パレスチナの女性たちは、イスラエルによる占領と攻撃により命の危機に直面しているばかりでなく、中東の男性優位社会の中で差別を受けてきました。二重の苦しみが続いているのです。

 パレスチナの女性たちは、政治的、法的、社会的、経済的な制約を受けています。女性には婚姻や離婚の自由、職業選択の自由など基本的な人権が認められていません。特に軍事占領下にあるヨルダン川西岸地区と封鎖されたガザ地区の女性たちは、高い失業率と賃金格差に苦しんできました。このような女性に対する抑圧の中で、戦争がより厳しい状況に追い込んでいます。

 すでに23年以上前に国連安保理は女性・平和・安全保障に関する決議1325号(2000)で「武力紛争の当事者に対し、ジェンダーに基づく暴力から女性と少女を保護すること」などを求めています。決議の実現を訴えていきましょう。

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 私たちは、国際的なたたかいと連帯し、国内でのジェンダー平等実現に向けて今年も取り組んでいきます。3月8日には「国際女性デーのつどい」を行います。講師に在日コリアンの方をお招きします。民族差別と女性差別の“複合差別”で苦しんできた在日の思い、どうたたかっているかを語っていただけるでしょう。

 衆議院の杉田水脈(みお)議員のヘイト発言はその例です。杉田議員は16年の国連の女性差別撤廃委員会に参加し、「チマチョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場」「存在だけで日本国の恥さらし」などとSNSに発信しました。昨年秋、札幌と大阪の法務局は杉田議員の言動を「人権侵犯」と認定しました。しかし、杉田議員は反省するどころか居直り続け「差別がなくなっては困る人たちと戦ってきました」とまで書いています。

 杉田議員は、LGBTはじめマイノリティの権利否定など数々の人権侵害、「(旧日本軍の)慰安婦はなかった」とする歴史修正主義の発言などを行っています。ジェンダー平等に背を向ける者には、粘り強くたたかっていかなければなりません。

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