2024年01月26日 1806号

【「君が代」調教NO!松田処分取消裁判/大阪・東京から二十数人が最高裁要請/公正判決署名1395筆を提出】

 大阪市立中学校教員(当時)松田幹雄さんへの2015年の「君が代」不起立処分の撤回を求める裁判は、地裁・高裁の不当判決を経て現在最高裁で争われている。原告松田さんから1月11日の最高裁要請の報告を寄せてもらった。

 昨年9月末、上告理由書と上告受理申立理由書を提出し、11月8日付で最高裁第二小廷書記官から記録到達通知書が届きました。支援団体D−TaC(ディータック)で話し合い、この後できることとして公正判決署名を集めて最高裁に要請に行くことを決めました。

 署名を11月20日からはじめ、12月15日からはオンライン署名にも取り組みました。2015年7月、大阪市人事委員会に戒告処分取消を求めて審査請求して以来、8年半にわたって闘ってきましたが、広く訴えて署名を集める行動は初めて。知られていない「日の丸・君が代」強制の実態を知らせる絶好の機会として全力で取り組もうと思いました。

 要請行動の日程が決まってからは、紙署名1000筆提出を目標にしました。沖縄連帯集会や「パレスチナに自由を」デモ、原発賠償訴訟や反原発集会、処分を受けた中学校区の商店街等いろんな場所で訴えました。週一回行われている全日建連帯労組関生支部の弾圧抗議デモには、署名ニュースを作って毎回参加しました。同じ課題で闘っている東京「君が代」裁判第五次訴訟の口頭弁論の傍聴にも行きました。そうした中で、署名を集めてもらった仲間から続々署名が届くようになりました。1月11日の最高裁要請行動では、紙署名1012筆、オンライン署名383筆を提出することができました。

国際法違反を訴える

 1月11日要請行動当日、11時には20数名の仲間が最高裁西門前に集まってくれました。大阪関係の参加者が6人、後は、ひのきみ全国ネットや被処分者の会等首都圏の方々です。部屋の関係で17人しか要請行動に入れず、寒い中で30分間の要請中、外で待っていただいた人も。感謝です。

 要請行動では、5通の要請書を手渡しました。上告人(松田)、教職員なかまユニオン(上告人所属組合)、ひのきみ大阪ネット、ひのきみ全国ネット、岡山輝明さん(東京「君が代」裁判第三次訴訟原告団長)からの5通で、それぞれ趣旨を述べて、第二小廷首席書記官補佐に手渡しました。受け取った要請書とこの場で聞いた訴えについては、書記官に報告し、書記官は調査官に報告するだろうということでしたが、裁判官にまで届くかどうかは分かりません。

 要請書の内容は、教職員への「君が代」処分は子どもたちへの強制、人権侵害と切り離すことができず、子どもの権利条約に抵触するかどうかの判断が求められていること、この「君が代」調教NO!松田処分取消裁判が、国際人権自由権規約委員会の第7回日本審査総括所見採択(2022年11月)後初めて最高裁に係属する裁判であり、これまでの最高裁判決を見直すチャンスであること、最高裁が「慣例上の儀礼的な所作」とする式典冒頭の「国旗掲揚国歌斉唱」の形は1930年代後半以降戦争への総力動員の動きの中で成立・普及したものであり、今日の「君が代」強制は戦前と同じことをやろうとしていることなどです。

 私が、地裁・高裁での主張を通して、そして、最高裁への上告理由書・上告受理申立理由書を通して最も訴えたかったことをしっかり届けることができたと嬉しく思いました。

最高裁署名に協力を

 第1回最高裁要請行動を終えて、改めて「君が代」強制に反対する全国の人たちの闘いの蓄積と思いを感じました。署名運動はオンライン署名も含めて継続します。更なるご協力をよろしくお願いします。

 (「君が代」調教NO!裁判 上告人・教職員なかまユニオン 松田幹雄)



MDSホームページに戻る   週刊MDSトップに戻る
Copyright Weekly MDS