2024年02月02日 1807号

【みるよむ(681)2024年1月20日配信/宮古島で見えてきた戦争/―迫りくる戦禍と住民犠牲―】

 12月8日、ZENKOスピーキングツアー滋賀集会に清水早子さん(ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会)がオンラインで参加した。清水さんは、宮古島の自衛隊基地強化の実態を示して危険性を伝え、戦争準備に反対しようと訴えた。

 宮古島中央部の千代田に陸上自衛隊の新基地が建設された。野原(のばる)には航空自衛隊のレーダー基地が。このレーダーは、国際的なスパイレーダーと呼ばれている地上波傍受施設だ。平良(ひらら)港では、空母化された護衛艦「いずも」が入港できるような整備が行われている。保良(ぼら)には巨大な弾薬庫と射撃訓練場が作られ、運用されている。白い砂浜が続く滝口の浜は、自衛隊版海兵隊の水陸機動団の訓練場にすることが狙われている。

 基地には地下30bのシェルターが作られている。そして、地対空ミサイルPAC3が昨年4月から常時配置されている。

 陸自のミサイル基地と航空自衛隊のレーダー基地に挟まれた幅1`もないところに、50数軒の野原集落がある。このような例は全国でもまれだ。また、巨大な弾薬庫が2つも並ぶ自衛隊基地から200bしか離れていない地域に180軒の集落がある。

 自衛隊は、この基地の中でミサイルを積んだ車両を動かしている。軽装甲機動車は市街地も走っている。

遺体運搬訓練まで

 清水さんは、自衛隊員の遺体や負傷者を運ぶ訓練も報告。昨年4〜5月には市立図書館に遺体収容袋が運び込まれた事実を伝えた。

 ミサイル基地・要塞化が進み、実際に発射する事態になれば確実に標的にされ、住民が一番の犠牲になる。おぞましい実態が伝わる。

 清水さんたちはこうした動きに抗議を続けてきた。「未来を失わないために、今声を上げ戦争を止める行動をしなければならない」と強調する。この闘いに全国から連帯していこう。

(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)

MDSホームページに戻る   週刊MDSトップに戻る
Copyright Weekly MDS