2024年02月02日 1807号

【未来への責任(371)/沖縄戦土砂の埋立使用阻止/2・6緊急防衛省交渉へ】

 「沖縄激戦地土砂の埋立使用阻止 2・6緊急防衛省交渉」が衆院第1議員会館で開催される。

 防衛省は沖縄県との工事の事前協議を行わないまま1月10日、辺野古基地建設大浦湾側の工事に着工した。これに抗議し、沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」具志堅隆松さんら6人は、10日から12日まで県庁前でハンガーストライキを行った。多くの県民がこれを支持し、政府の暴挙に怒りが広がった。ハンストは県にも毅然とした対応を求めた結果、11日には沖縄県の事前協議要請が防衛省に届いた。

 2・6緊急防衛省交渉はこのハンストを受けて開催される。「防衛省から戦没者を守れ!県との事前協議に応じろ!」を掲げ、沖縄戦のご遺族もたくさん参加される。

 設計変更書に添付された「図書」には埋立土砂の調達地は「候補地」ではなく、「実際の採取地」を書かねばならない。「〇市・〇〇地区」まで記載が必要なのに書かれていない不備なもの。仲井眞弘多知事(当時)による2013年12月27日の埋立承認の留意事項でも「採取場所及び採取場所を記載した図書を変更して実施する場合は知事の承認を受けること」とされていた。「実施段階で受注者が決める」という無責任な防衛省の主張も設計変更申請書からして認められない。

 埋め立ての岩ズリは、辺野古側の埋め立てはすべて「黒石岩ズリ」と指定されているが、南部の琉球石灰岩は「白石岩ズリ」であり強度が弱く、比重も小さくて、吸水率が高く使用できない。南部の白石は防衛省が自ら示すJIS規格に達しない。知事の断固とした態度で南部遺骨土砂使用は不承認とできる。

 また、防衛省は、10日から強行した海上ヤード造成は仮設構造物なので県との事前協議の対象外としているが、何百メートルもある巨大な構築物であり大量の石材を2年半にわたり投下する大規模なもの。どうして事前協議の対象外なのか、根拠もない許されない暴挙である。すさまじい白塵が舞い上がり海が濁る海上ヤードの捨石の投入は、必要とされている事前洗浄をしていないからだ。事前協議抜きに工事など始められる状況ではない。

 今回の防衛省交渉は、遺族の思いをぶつけるだけではなく、県との事前協議や工事に関して防衛省の一方的解釈を許さない厳しい交渉になる。

 あつまれ東京! 2月6日、衆院第1議員会館・国際会議室12時〜14時 (開場11時半)。ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)にも協賛いただいている。

(戦没者遺骨を家族のもとへ連絡会 上田慶司)

MDSホームページに戻る   週刊MDSトップに戻る
Copyright Weekly MDS