2024年02月09日 1808号

【首都圏なかまユニオンの闘い/飛躍かちとる2024年】

慈生会争議 元職種復帰の勝利和解

 社会福祉法人慈生会による労働組合嫌悪に基づく不当労働行為と闘ってきた島田雅彦さんが1月26日、中央労働委員会の場で勝利和解を手にした。

 島田さんは2012年に慈生会から解雇されたが、14年に東京高裁の解雇無効判決を受けて職場復帰。しかし、元の職種である生活相談員に戻してほしいとの要求を法人側は受け入れず、団体交渉事項とすることも拒み続ける。17年に東京都労働委員会に救済を申し立て、都労委・中労委・事務折衝・再開団交を経て、この日を迎えた。

 調印された和解勧告書は「法人は島田組合員を4月1日までに生活相談員へ配置転換する」「双方は団交に当たって合意形成に向け誠実に対応することを確認する」と明記している。

 和解成立に尽力した労働者側参与委員は「法人を動かしたポイントは、島田さんが頑張ったこと、それをユニオンのみなさんが支えたこと」と高く評価。島田さんも「一人では到底闘えなかった。ユニオンの皆様のお力を賜り、やっと生活相談員の業務をすることができそうです。また、職場の労働条件の改善も引き続き取り組みたい」と決意を新たにした。

UPT・協成争議 国際展で大宣伝

 組合員の李善学さんは14年前、「ものづくり日本」に憧れ、中国・大連から来日。2017年、金属部品メーカーUPT=ユナイテッド・プレシジョン・テクノロジーズ且P下の葛ヲ成に入社後、労働条件の不利益変更やセクハラ・パワハラに声を上げてきた。

 協成は李さんを解雇し、団交でも両社は不誠実な態度に終始。逆に「地位不存在確認訴訟」まで起こす。

 争議の引き延ばしを許さない。ユニオンは1月24日、UPTが出展する「ネプコン ジャパン エレクトロニクス開発・実装展」会場の東京ビッグサイト前で大宣伝行動を決行した。

 寒風すさぶ中、「不当解雇を撤回しろ」の横断幕を掲げ、展示会参加者にチラシを手渡す。李さんもマイクをとり、「UPT社・協成社の不正行為の撤回を求めます。謝罪を求めます。みなさま、ぜひご支援を」と訴える。上智大学を相手にハラスメント・不当解雇撤回争議と裁判で解決を勝ちとったクッキ・チューさん、JHU(JAL被解雇者労働組合)客乗争議団の鈴木圭子さんからも連帯・激励のアピールがあった。

 李さんは2月15日の東京総行動に初エントリーし、ともに勝利をめざす。



MDSホームページに戻る   週刊MDSトップに戻る
Copyright Weekly MDS