2024年03月08日 1812号

【万博・カジノをやめて被災地支援を 第2回夢洲IR・カジノ大阪府民公聴会に400人/中止に追い込むことは可能だ】

 2月24日、「カジノ・万博をやめて被災地支援を 第2回夢洲(ゆめしま)IR・カジノ大阪府民公聴会」が大阪府茨木市内で開かれ、会場満席で立ち見も出る400人近くが参加した。

 「夢洲カジノを止める会・吹田」の籠谷(かごたに)成幸さんが「能登半島地震で多くの被災者が苦難の生活を強いられている中、大阪北部の地から『万博中止・カジノやめて』の声を大きく広げたい」とあいさつ。

 公聴会を呼びかけた「夢洲カジノを止める大阪府民の会」山川よしやす事務局長は「国と大阪府市は公聴会に出席できなかった。追い込まれているのは府市や事業者の側だ。万博が中止されればIR・カジノはさらに遅れこみ、中止に追い込むことは可能。これからが運動の本番」と強調した。

 ジャーナリストの西谷文和さんは「必ずこける大阪万博&カジノ」と題した講演で「万博は絶対こける。今、中止を決めれば諸外国も納得する。違約金も少ない。有害物質が飛散しており、万博会場にも飛んで来る」と、命や健康に関わる問題点も指摘する。

府民の声が真実を暴く

 府民10人が意見公述した。

 府の教育の現状を訴えた公述は参加者の胸を打った。「子どもの5年生のクラスは42人学級。なぜ35人学級が実現できないのか。子どもたちは悲鳴を上げている。校長先生は『教室はあるが先生がいない』と言う。教育にお金を使わないからだ。万博・カジノをやめて、教育にお金を使うべきです」

 軟弱地盤の問題点の公述も地震大国の危険な実態を再認識させた。「夢洲は全体が粘土状の軟弱地盤で恒常的な地盤沈下の恐れがあり、地震時には液状化。地中にはヒ素、フッ素、水銀、PCBなど汚染物資が埋設。安全神話はない。安全を確保しようとするならば、危険な場所は避けること」

 さらに▽万博・カジノをやめて被災地支援を▽地域防災・避難計画後回しのIR・カジノに問題あり▽大阪湾に失われた自然環境を取り戻すその第一歩に▽労働者の安全衛生▽カジノにおける人権侵害と倫理▽カジノに反対・障がい者の立場から▽ギャンブル依存症問題▽不当な契約としての実施協定―などそれぞれの観点から、カジノ・万博が有害無益で全く必要ないことが改めて確認された。

万博止める行動週間へ

 立憲民主、れいわ、共産、社民5人の現職・前職国会議員の連帯あいさつ、メッセージ紹介の後、会場全体で意見や活動を交流した。

 「自分が住んでいる地域の小学校へ行き、子どもたちを万博へ連れて行かないように要請した」という報告には、大阪府の全校区でこの取り組みができたら万博は止まるかも、と参加者に共感が広がった。

 公聴会でも明らかとなった「万博・カジノ」の数々の問題に、国・大阪府市は応えようとしていない。市民の命さえ顧りみない、無責任極まりない府市政に怒りは高まっている。

 山川府民の会事務局長が▽4月8〜14日、万博・カジノ中止を求める行動週間▽大阪府南部地域での第3回大阪府民公聴会▽大規模パレード―など、行動を呼びかけ、全体で確認した。

 終了後、参加者は茨木市内をパレードし、“カジノ・万博をやめて被災地支援を”と元気に訴えた。



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