2024年03月15日 1813号

【イスラエル・アパルトヘイト週間(3/1〜3/31)/BDS(ボイコット、投資撤退、制裁)運動を強めよう】

 3月1日から31日までは2005年以来続けられているイスラエル・アパルトヘイト週間(IAW)だ。国際司法裁判所(ICJ)がイスラエルにジェノサイド防止措置を命じ(1/26)、すべての国家に共謀をやめ、防止措置をとる法的責任を課した。IAWの目標の一つはBDS運動の強化だ。

 イスラエルのアパルトヘイト体制に協力する企業・団体・政府をターゲットにBDS(ボイコット、投資撤退、制裁)を呼びかけるパレスチナBDS全国委員会(BNC)は「ジェノサイドとアパルトヘイトの終結を求めるパレスチナのための行進」を呼びかけている。

運動のガイドライン

 BNCは、ターゲットを選択、圧力を集中することで成果を得るBDS運動のより効果的方法を勧めている。日本ではどこに絞るのがよいか。日本版BDSガイドラインから紹介する。

制裁(Sanctions)

 今回更新された日本版ガイドラインでは日本政府に対する制裁要求が明確にされた。ICJ命令により日本政府にもイスラエルのジェノサイドに手を貸してはならない義務が課せられた。

 ▽イスラエルとの武器(軍民共用製品・技術含む)の輸出入を全面禁止。(8面参照)

 ▽ジェノサイドを促進するリスクのある協定・覚書の破棄。目標は「防衛装備と技術に関する秘密情報保護の覚書」の即時破棄。「日・イスラエル投資協定」の破棄と「日・イスラエル経済連携協定(EPA)に関する共同研究」の凍結。内閣・防衛省・経済産業省・外務省とともに、衆参の関係委員会議員、地元選出議員に働きかけることが求められる。

 展示会「サイバーテック・グローバル」(4月テルアビブ開催)への協力・参加の中止をジェトロ(日本貿易振興機構)、スポンサー企業(23年はNTTなど)に要請。政府には今後、同展示会の日本開催を拒否するよう申し入れる。

 ▽国際法違反の入植地産製品の禁輸措置。「イスラエル産」と表示される製品・農産物には、軍事占領地である東エルサレム、ヨルダン川西岸、ゴラン高原で生産されたものが含まれる。日本政府もイスラエル領とは認めていない入植地。「産地偽装」でもある。内閣府消費者庁も通報・抗議の対象とできる。

ボイコット(Boycott) 投資撤退(Divestment)

 ▽マクドナルド。イスラエルのフランチャイズ店との契約解除などを求め、ボイコット。資本に対する圧力が目的であり、そこで働く労働者は連帯の対象であることはいうまでもない。

 ▽イスラエル産農産物・加工品をボイコット。大手スーパーに取引中止を要請。個人商店にはイスラエルの人権侵害情報を提供。酒販店にイスラエルの入植地産ワインの取引中止を求める。農産物は多かれ少なかれ、パレスチナ人の土地や水を奪って行われている。「レカナッティ・ワイナリー」は入植地でブドウ生産している。

 ▽HP(ヒューレット・パッカード)。パソコン、モニター、プリンターなどHP製品の不買。HP製品を導入している職場・学校に情報提供。家電量販店にHP取り扱い中止の呼びかけ。HPはパレスチナ人の管理システムの維持・運営を行なっている。軍や警察に市民情報を提供し、人権侵害を引き起こす元凶ともいえる。

 このガイドラインに記載されていない企業でも、アパルトヘイトに加担する企業は多くある。その根拠を明確にしたうえで、誰もが生活の場から行動を起こすことができる。草の根の市民運動の結集がグローバル資本や政府を抑える力だ。

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