2024年04月19日 1818号

【避難者の住宅追い出し強行/福島県の〝強制執行〟に抗議する】

 原発避難者の住宅(東京・江東区の国家公務員宿舎)追い出しをめぐって避難当事者は最高裁に上告手続き中だが、福島県はその判断を待つことなく強制執行という権力を振りかざして退去に追い込んだ。

 執行宣告された4月8日を前に、行き場を失う当事者はやむを得ず急きょ退去することを決めた。8日、当事者はすでに不在だったが、裁判所執行官が押しかけ強制執行の行動に出た。福島県は代替措置を取ることもなく、一方的に当事者を精神的経済的に追い詰めた。避難者の居住権、平穏に生活する権利の侵害は厳しく問われる。

 「原発避難者の住宅追い出しを許さない会」は、1600を超える福島県宛ての抗議署名、抗議はがき・ファクス、国家公務員住宅へのチラシ入れ、復興庁への要請行動を行ってきた。ひだんれん、全国避難者の会など3団体は内堀雅雄知事に要請するなど、強制執行を止める取り組みを展開した。復興庁には「福島県に国内避難民の指導原則を遵守させる」よう求め、参事官補佐が「県には要請書を送り、立場を伝えた」と返答。話し合いを求めた弁護団の要請に県代理人から返事が返るなどの反応があった。

 今後、上告手続き中の最高裁で損害賠償金、慰謝料請求をめぐって争われる。許さない会の小川正明事務局長は「皆さんの抗議を県は気にしている。最高裁でも県の強制執行の姿勢を追及したい。引き続きご支援ご協力を」と訴えている。

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