2025年06月13日 1874号
【韓国・武器博覧会抵抗行動/ZENKOが連帯参加/イスラエル軍需企業糾弾もともに】
|
韓国・プサンで5月28〜31日、「国際海洋防衛産業展(MADEX2025)」が開催された。国内外の主要兵器会社が参加し海洋軍事用品の取引を行う巨大な博覧会だ。参加218社のほとんどが韓国企業だが、ガザで虐殺を続けるイスラエル企業IAIも出展している。
23の平和団体による「武器博覧会抵抗行動」は26、30、31日「イスラエル戦争企業IAI参加糾弾!死の市場、武器博覧会に反対する」と抗議行動を展開した。
まるでエンタメ
私たちZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)は、対案文化連帯の案内で30日記者会見、31日の集会に参加した。
展示場の外に到着すると、子連れや若い男性の姿が目立ち、まるでエンタメイベントのようだ。入口には「海洋防衛産業強国をめざす大航海!」と書かれたフォトパネルが掲げられ、韓国が巨大な軍事産業国家として武器輸出を推進することが露骨に表わされていた。
30日は、抵抗行動メンバー約10名が記者会見。韓国産の武器が独裁国家やパレスチナ虐殺で使用されていると批判した。また、宇宙防衛産業を推進していることや、気候危機に悪影響を及ぼすことにも言及。全地球的な暴力の主犯であり、平和と人権、民主主義を破壊する武器産業を批判し、博覧会の中止を求めた。
31日午前、武器博覧会の内部を見学した。巨大な展示会場の多くのブースに最新の軍艦や無人機、ドローンなどの模型が展示。巨大広告スクリーンで軍艦が航行し戦闘機が飛び交う姿はゲームさながらだ。銃を展示するブースには「環境にやさしい銃弾」と奇怪な言葉が並び、子どもは親が説明するのをメモしている。銃・防弾チョッキ体験、戦車の乗車体験には親子が列を作る。これらがすべて殺人兵器だと、みな感じていないのだろうか。
若い活動家が結集
午後からは会場前で「戦争はここから始まる」と題した横断幕を掲げ集会を開催。群山(クンサン)基地活動家のキム・ヨンテさん、済州島(チェジュド)の基地反対活動家、プサン嘉徳島(カドクド)新空港建設反対活動家、兵役拒否・軍拡反対運動の活動家、人権活動家、パレスチナに連帯する活動家など、全国から若い活動家らが集結。「イスラエル関連企業の参加糾弾! 民主主義の都市プサンで武器商売をするな!」とコールしながら道行く人びとに武器博覧会の危険性を訴えた。
ZENKOからは、日本では沖縄をはじめ全国で軍事化が進んでいるが抵抗する闘いが各地で繰り広げられていること、ZENKOもBDS(ボイコット運動、投資撤退、制裁)運動でイスラエル関連企業や日本政府への抗議行動を行っていることを紹介。特に三菱の部品が使われているF35戦闘機がガザで人を殺し、群山では「台湾有事」の出撃のために配備されていることから、「日本から連帯し戦争を止めていくことが大切」と発言した。
群山のキム・ヨンテさんは日本・台湾の市民と共に平和に暮らせる世界を創ろうと訴えた。集会終了後、ZHAP(ZENKO辺野古反基地プロジェクト)署名のパンフを渡し、署名への協力を呼びかけた。
目前の大統領選有力候補、共に民主党の李在明(イジェミョン)は韓国を世界防衛産業国の4大強国にすると公約している。そうした中でも、人殺しの兵器を作らせず、輸出させず、新たな基地建設を許さず、平和と民主主義に貫かれた社会を目指す若き活動家たちは、戦争のない世界の実現へと闘い続けている。
彼・彼女らと連帯し、日本で闘いを強めよう。BDS運動、ZHAP署名を広げ、国際連帯の力で展望を切り開いていこう。(ZENKO共同代表・河辺友洋)


 |
|