2025年06月13日 1874号

【市民参加のまちづくりを/山下ふ頭再開発に代替案/横浜】

 横浜・山下ふ頭の再開発を考えるシンポジウムが5月31日、神奈川大学などの会場に開催された。

 再開発を巡っては、「山下ふ頭再開発検討委員会」の答申が昨年12月に山中竹春市長に提出された。市は、それを踏まえて事業計画を策定する。検討委員会のメンバー構成は開発関係者に偏り、答申はまちづくりの方向性がイメージしにくいものになった。議論の透明性も問われている。

 前市長のカジノ誘致に反対する市民運動によって、カジノ反対を掲げた現山中市長が誕生した。「市民による市民のための山下ふ頭を求める会準備会」代表の中村寛三さんは「カジノを止めた市民は、山下ふ頭の代替案をつくる権利と責任がある」とし、「平和と民主主義をともにつくる会・かながわ」などと運動を展開。「市民が入る事業計画検討委員会の設置」を求める署名7464筆を集めた。6月中には署名提出の意向だ。

 シール投票も積極的に行った。多くの人は山下ふ頭の再開発を知らなかった。「広い公園・海と触れ合える場所・森林」の投票が多くを占め、「テーマパーク・大型ショッピングモール」は少なかった。中村さんは事業計画段階からの市民参画を強調する。

 建築家の北山恒(こう)横浜国立大学名誉教授は「ウォーターフロントは港町横浜のイメージを支えているエリアであり、私企業が占有するものではなく、市民にひらかれた公共的性格を持つ場だ」と述べた。
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