2025年07月04日 1877号

【大阪IR・カジノ土地改良事業差し止め訴訟弁論/大阪市の法律違反ただし追いつめる】

 6月17日、傍聴の支援者で満席の大阪地裁202号大法廷で、大阪IR・カジノ住民訴訟の口頭弁論が開かれた。「夢洲(ゆめしま)カジノを止める大阪府民の会」のメンバー7人が原告となって昨年9月に提訴した「大阪IR・カジノ土地改良事業差し止め訴訟」は、4回目の口頭弁論を迎えた。

 この裁判は、カジノ反対の住民訴訟3団体6事件の合同裁判として行われている。先行訴訟2団体は「夢洲IR差し止め訴訟」(第1事件、第6事件)と「格安賃料差し止め訴訟」(第2事件、第5事件)で、「大阪IR・カジノ土地改良事業差し止め訴訟」は、第3事件、第4事件となっている。

 この日、原告側は被告(大阪市)答弁書を批判する第1準備書面を提出。また、その趣旨について、原告代理人の畠田健治弁護士が、意見陳述を行った。

 要旨は以下の通りだ。

 (1)IR事業の中核はカジノ行為=賭博行為であり、公共性がない(2)運営会社のMGMオリックスコンソーシアムに逃げられないために、地方自治法の仕組みが適用されないという業者に有利な契約内容となっており、財政支出を抑制する規律・仕組みが働かない(3)カジノ用地の土地改良事業だけに公金を支出することは、憲法14条の平等原則に反し、地方自治法(第2条第14項、第234条)と地方財政法(第4条第1項)に定める契約に関する規律に違反している。

 この日の弁論では、第2・第5事件代理人、松村隆志弁護士の意見陳述(鑑定業者のカジノ用地鑑定の不合理さ)、第1・第6事件代理人、荒木晋之介弁護士からの被告への求釈明(万博跡地がカジノ用地と違う扱いになっていることや、夢洲敷地内の関西電力変電所への土地売却取りやめ、賃貸への方針変更について)も行われた。

3訴訟が連帯し闘う

 閉廷後、場所を移して開催された報告集会は、前に弁護団・原告がずらりと並び、3団体の訴訟支援者で満杯となった。

 裁判で意見陳述した弁護士からの説明の後、第1事件原告山田明さん、第2事件原告藤永延代さんから報告、決意の発言があった。

 最後に、第3事件原告山川よしやすさんが、相撲に例え、「相手を土俵際まで追いつめている」と裁判の感想を語り、ますます市民の運動が重要となっていると指摘。6月22日開催の夢洲カジノを止める大阪府民の会総会&講演会・パレードへの参加を呼びかけた。

 次回期日は10月9日11時、次々回は2月9日11時。大阪地裁202大法廷だ。

(「大阪IR・カジノ土地改良事業差し止め訴訟」を支援する会・松田幹雄)



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