2025年07月04日 1877号

【遺骨が眠る土砂を埋め立てに使うな/沖縄戦戦没者の尊厳を傷つけるな/石破首相は県民の祈りを冒涜するな/ガマフヤー具志堅さんが政府交渉】

 沖縄戦遺骨収集ボランティア・ガマフヤー(具志堅隆松代表)は6月17日、戦没者の遺骨が残る土砂を辺野古新基地建設の埋め立てに使わないことなどを求めて政府と交渉した。

 「きょう要請するのは、戦没者の尊厳を傷つけないでくれ、ということ」と前置きした具志堅さん。糸満市から持ち込んだ土砂を政府職員に示し、「遺骨を取り出した後も収容不可能な微細な遺骨が残っている。多くの人間の血を吸い込んだ土砂を埋め立てに使うのは戦没者に対する冒涜だ。防衛省は戦友である旧軍兵士の遺骨を、戦友を殺した米軍の基地をつくるために海に捨てるのか」と問う。

 防衛省担当者はしかし、「県民を巻き込んだ凄惨な地上戦で軍民20万人の尊い命が失われた。このような歴史のある沖縄でご遺骨の問題は真摯に受けとめる必要があると認識しており、こうしたことを踏まえて適切に事業を進めていく」と何度も繰り返すのみ。

 具志堅さんは「何一つ答えになっていない。反論できなければ、『南部の土砂は外す』という理解が成立したと受け取る」と通告。150人の参加者から大きな拍手が沸き起こった。

 交渉では、▽陸上自衛隊第15旅団ホームページへの牛島満司令官「辞世の句」掲載▽追悼式の警護に際し遺族が供えた花や線香をひっくり返した暴挙―にも厳重に抗議。石破首相は追悼式に出席するのなら遺骨土砂について見解を述べよ、と迫った。牛島司令官の辞世の句に対して、具志堅さんは琉歌による返歌で「島ぬ青草や 牛島が枯らち 戦(いく)さ枯骨(からぶに)や 土(んちゃ)になゆる(沖縄の住民は牛島が滅ぼし、戦没者遺骨は土になってしまった)」とウチナーンチュの思いを歌った。



辺野古新基地に遺骨土砂使うな

 6月18日から沖縄県庁前でハンガーストライキを行った具志堅隆松さんは「慰霊の日」当日、平和祈念公園でアピールした(6月23日 糸満市 詳報次号)

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