2025年08月29日 1884号
【パレスチナ人民を守ることは人類を守ること/国際的労働者のネットワークづくりを/UWFPP(パレスチナ人民防衛統一労働者戦線)事務局長サミール・アディルさんに聞く(上)】
|
パレスチナ解放闘争における労働者の役割について、中東・北アフリカの労働組合を中心に結成されたUWFPP(パレスチナ人民防衛統一労働者戦線)のサミール・アディル事務局長に聞いた(7月28日)。サミールさんは、2025ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会、7/26〜27、神奈川県相模原市)に参加し、UWFPPの活動を報告した。ともに参加予定であったPWSU(パレスチナ労働者闘争ユニオン)モハマド・アローシュ委員長が来日できなかったため、パレスチナの労働運動についても聞いた。2回に分けて紹介する(まとめは編集部)。

Q.パレスチナの労働者の状況は
ガザにいるUWFPPのメンバーからメールが届いた。ZENKOでも紹介したように、現地は悲惨な状況だがZENKOの取り組みに希望を感じている。
彼は「失業率65%」と言っていたが、これは戦闘が開始される以前の数字だ。今では「失業率100%」との報道もあるものの定かではない。ガザ・西岸地区のパレスチナ人労働者にはILO(国際労働機関)が「ディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)・プログラム」の一環として仕事を提供していることもある。▽倒壊した瓦礫(がれき)の撤去▽破壊された建物や住宅の再建工事▽病院での勤務▽自治体での勤務などだ。
その他、パレスチナ人の多くはUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)などの国連機関から支援、主に食糧を受けている。
ただ現在、ガザの人びとの最大の課題は「生き延びること」だ。すでに餓死者が128人(7/27時点)にもなっている。その多くが子どもだ。
Q.PWSUが組織する労働者の範囲は
ガザからメールをくれたUWFPPメンバーのアマルは、PWSUの非常に活動的な組合員だ。西岸だけでなく、ガザにも組合員はいる。
PWSUは今年5月17〜18日、西岸地区のラマラで第5回大会を開催した。代議員として479人が出席している。海外にいる組合員もオンラインで参加していた。米国、ロシア、ドイツ、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、ベネズエラなど12〜13か国からだった。みな難民となったパレスチナ人だ。
この大会には、中国やエジプト、ベネズエラなどの大使館の代表も参加している。そこで、5人の来賓があいさつをした。GUPW(パレスチナ一般労働組合)の会長、自治政府に加わっているアラブ解放戦線、PLO(パレスチナ解放機構)執行委員、そしてPPSF(パレスチナ人民闘争戦線)の議長アフマド・マジュダラニとUWFPPのわたしだ(オンライン参加)。
Q.PLO・自治政府を批判する声もあるが
実際、ファタハ(パレスチナ民族解放運動)がすべてを支配しており、酷い腐敗に関わっている。ファタハの影響下にあるPLOは長い間、機能停止状態になっている。
だが、PLO執行部の一員で影響力があるマジュダラニや他の執行部メンバーの働きかけ、それに、アラブ諸国、ロシア、中国からの圧力などもあり、ここ数か月の間にPLO活性化に向けた動きが起きている。
PPSFの政治局員でもあるアローシュやPLO内の同志と話し合っているのだが、自治政府は国連や安保理の多くから唯一承認されたパレスチナを代表する機関であり、他には選択肢がない。イスラエルとPLOの間で同意したオスロ合意(1993年)で自治政府を承認している以上、それを避けて通ることはできないと考えている。
PLOはファタハの影響下にあり腐敗が足かせになって、なかなか前進はできない。ハマスはPLOと関わろうとしない。これが問題だ。
Q.PLOを立て直すことはできるのか
PLOは今年4月に会議を持った。2年前に開かれるはずのものだった。戦闘が始まった事情もあるが、本来、中央委員会は3か月ごとに開かれるべきところ、前回から3年もかかった。
この開催に努力した政党の一つがPPSFだった。会議を必要とする情勢もあった。ガザでの戦況、西岸でのイスラエル軍の動き、そして「ガザ戦争が終わった翌日」に何をするのかという大きな課題がある。アラブ諸国政府はPLOに役割を果たすことを求めている。
PLOを立て直すためにも、PPSFの影響力を高める必要がある。(続く) |
|