2025年08月29日 1884号
【2025DSA全国大会/パレスチナ解放 ファシズムにノー/変革は私たち自身から生まれる】
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8月8〜10日、米国最大の社会主義団体DSA(アメリカ民主主義的社会主義者)の2025年全国大会がシカゴで開催された。DSA国際委員会の招請を受けて参加したMDS(民主主義的社会主義運動)・森文洋さんが報告する。

今大会のテーマは「再生とその先へ―DSAの10年間の成長を振り返り、党建設の10年に向けて準備する」であった。会場は全米から集まった1200人以上の大会代議員と約50人の国内外ゲストで埋まり、熱気あふれる討議が交わされた。
ラシダ・タリーブが基調
大会を象徴し、内容を決定づけたのは、DSA所属で両親がパレスチナからの移民労働者であるラシダ・タリーブ連邦議会下院議員だ。彼女は「アメリカの変革は常に私たち自身から生まれる」と題した大会基調報告演説を行った。
タリーブは、自身の地元デトロイトで「差別と資本主義的搾取に基づく政策が家族の生存を脅かす痛みと苦しみを、直接経験してきた」と切り出した。「パレスチナで米国製の武器で殺された人びとは、バイデンとトランプの決定の結果だ」と批判し、「イスラエル政府へのあらゆる武器供与を完全に禁止するための武器禁輸法を作らなければならない」と訴える。
「億万長者やファシストを打ち破らなければならない。権力はワシントンD.C.ではなく私たちの地域にある。私たちはこの国を労働者家族の手に取り戻し、憎悪に満ちた臆病なファシストを打ち倒す」とトランプ政権への闘いを呼びかけ、満場の歓声に包まれた。

ジェノサイドを許さない
基調報告を受けて、DSA国際委員会パレスチナ連帯部会は「米国政府がイスラエルに武器や資金を提供し続けるのをやめさせなければならない。それは私たちの税金によって賄われている。ジェノサイドを終わらせるために、全世界で抗議活動を組織し続けている」と発言。ニューヨーク州ロングアイランド支部の代議員も「政府はイスラエルに年間数十億ドルの軍事援助を提供し、その兵器はパレスチナの子どもたちや家族を殺すために使われている。沈黙は加担だ」と続けた。
サンフランシスコの代議員は「港湾労働者は、イスラエル向けの軍需物資を積んだ船を止めた。看護師や教員は、パレスチナ連帯の声明を出した」と報告。ワシントン州シアトル支部も「港湾労働者、教員、看護師、学生、地域住民が、パレスチナ解放のために連携している。軍需物資を積んだ船を港から出させない直接行動を組織した。その行動は全国の他都市にも広がっている」と語った。
職場の闘いを社会主義へ
職場からの労働組合の闘いも多数報告された。
ミルウォーキー支部は、ウィスコンシン州看護師協会の闘いとして「パンデミックの間、非常に過酷な労働条件を強いられた。仲間の多くは燃え尽きてしまい、辞めていった。病院は安全よりも利益を優先し続けている。私たちは病院内で集会を開き、職場の安全基準を求める署名活動を行い、病院経営陣に対して声を上げ続けてきた」。
ロサンゼルス支部は「学校予算の削減、教師の不足、民営化の圧力が子どもたちの教育を脅かしている。私たち教員組合はストライキを組織し、地域社会と連携して変革を求めてきた。労働運動と地域社会の連帯こそ勝利の鍵だ」と発言した。
「契約労働者」の長時間労働撤廃へ闘うシカゴ支部は「仲間と一緒に署名を集め、労働者の権利を守るために立ち上がっている。DSAは大きな支えになっている。支部の仲間がピケに駆けつけてくれたとき、私は一人ではないと実感した。私たちは社会主義的なビジョンを掲げ、医療を公共のものとして取り戻さなければならない。DSAはそのために重要な役割を果たすことができる」と強調した。
MDSも連帯発言
DSA大会のもう一つの特徴は国際連帯だ。
ブラジル労働党や中南米の左派政党、「屈従しないフランス」、イギリスで新たな左派政党を結成するジェレミー・コービン下院議員(ビデオメッセージ)などが連帯発言。「ファシズムとの闘い」という討議時間が設定され、世界各国の招請者が、極右政党・ファシズムとの闘いやパレスチナ連帯が大きな課題になっていることを報告した。
私もMDS代表として、ZENKOをはじめとする闘いを発言。イスラエルにF35戦闘機の部品等を供給する三菱重工等への抗議などBDS運動、パレスチナの市民レジスタンスであるPPSFやPWSUとの連帯運動、そして、東アジアでの軍事化と対中国戦争を止めるZHAP(ZENKO辺野古反基地プロジェクト)運動を紹介した。発言の中で、京都・祝園(ほうその)弾薬庫増設に「ミサイル弾薬庫反対」を訴えて精華町議選で神田たかひろさんが当選したと伝えた時、ひときわ大きな拍手と歓声が上がり、正直感激した。
さらに翌日の「組織横断政治交流」では、東アジアでの日米韓、NATO(北大西洋条約機構)諸国など対中国軍事共同行動を進める各国の議会でも反対の声を上げようと呼びかけた。
大会の場で、人と人との直接の国際連帯も進んだ。
タリーブ議員と海外ゲストとの対面の場では、連帯のあいさつをかわし、握手。宣伝・販売コーナーも設けられ、DSA国際委員会の机には、2025ZENKOで小芝ひでとし大阪狭山市議からアンリン・ワンさんに手渡された全交南大阪の連帯バナーが飾られていた。プログレッシブ・インターナショナルやBDS運動メンバーと会い、「日本のファナックのイスラエル加担をどう止めましょうか?」と話しかけられることも。何人もの全く初対面の代議員から、「日本から来てくれてありがとう。発言がとてもよかった」「感動した」との言葉をいただいた。

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大会は共同議長と全国政治委員を選出。DSA合唱団が参加者とともに『インターナショナル』『ソリダリティー・フォーエバー』を歌って終了した。
パレスチナ解放、格差拡大ストップ、ファシズム・ノーの闘いの確信と決意を固めあう素晴らしい大会だった。この闘いを日本で報告し、連帯を広げたい。
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