2025年11月07日 1894号
【統一的な民族戦線の構築へ(要旨)/パレスチナの意思の試練/2025年10月5日/モハマド・アローシュ/PPSF(パレスチナ人民闘争戦線)政治局員/PWSU(パレスチナ労働者闘争ユニオン)委員長】
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11月13〜16日、パレスチナ現地から来日し連帯を訴えるPPSF/PWSUのモハマド・アローシュさんが停戦合意以降の課題を明らかにしたアピール(要旨)を紹介する。
アメリカ大統領ドナルド・トランプがガザ地区での「戦争停止計画」を発表したことは、パレスチナ・イスラエル紛争を米・イスラエルの思惑に従って再構築しようとする一連の動きの一環で、問題の核心やパレスチナ人民の確固たる権利を無視しようとするものであった。しかし、この計画は、パレスチナの立場の強靱さと行動能力を発展させる新たな窓を開いた。
パレスチナの公式の立場は、計画に対して、国家的権利を損なう要素を拒否すると同時に、侵略の停止と占領の終結につながるあらゆる努力に開かれる精緻な均衡で対応することである。この均衡は、時代の複雑さと要請から生まれた政治的現実主義の表現であった。
ハマスは、理性と相対的な柔軟性を特徴とする対応で、国家的情勢に新たな次元を加えた。同運動は、最優先事項は戦争の停止、強制移住の阻止、土地と人民の統一の保持であると強調した。これらは、パレスチナの公式立場と重なり、目的の統一こそが抵抗と勝利の鍵であるという共通認識を示したのである。
しかし、それが真に効果をもたらすためには、分裂の終結と責任の全面的なパレスチナ国家権力への移譲から始まる実践が必要である。そのことで、政治的法的正統性が祖国の全域で完全に復権する。統一は、生存の条件であり、力の源泉であり、1967年6月4日の境界線に基づく独立したパレスチナ国家建設への道であり、その首都は東エルサレムである。
パレスチナの公式立場とハマスの立場との相対的な一致は、分裂の継続やトランプ計画への全面的拒否を期待して拡張主義政策と侵略継続を正当化しようとしていたネタニヤフを混乱させた。彼は、より一体化したパレスチナの前に立たされ、また、新たな冒険へと彼を駆り立てる(最極右の)過激派勢力に引き裂かれ、窮地に直面した。
現在の局面は、パレスチナ解放機構を我々人民の唯一かつ正統な代表とし、国際的正統性と自決権に基づく明確な政治プログラムに依拠した統一的な民族戦線の構築へと進むことを求めている。また、選挙を通じて国家的諸機関を民主的に刷新し、権力の段階から完全な主権を有する独立国家へ移行するための準備を整えるべきである。
政治的現実主義とは、嵐の前に屈服することではなく、力関係を理解し、それを国家的目標のために活用することである。今日進行しているのは、パレスチナの意思に対する新たな試練にほかならず、その統一と強靱さ、そして危機を新たな国家的段階の構築へと転化させる能力を試すものであり、それはより自覚的で、国家・自由・独立という夢に一層近づいたものである。 |
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