2025年11月28日 1897号

【非暴力の闘いで本当の平和を/人間の未来をともにつくろう/PWSU/PPSF モハマド・アローシュさん】

●大阪集会発言要旨(アローシュさんが大阪集会(11/16)で語った内容を編集部の責任でまとめた。)

 私の住むトゥルカレムは人口約30万人。イスラエルの国境と接している。2002年イスラエルが分離壁をつくり、自由な往来を奪った。西岸地区の大半の農産物を生産する農業地帯だったが、耕地はイスラエルの入植地にされてしまった。

 2つ難民キャンプが破壊され、4万人の人びとが再び難民となった。イスラエルはすべての病院を閉鎖し、救急車を銃撃する。住民から医療を奪っている。私の妻も糖尿病で治療が必要だが、インスリンも手に入らず、苦痛に耐えている。

 家の近くにイスラエルの監視塔ができた。自宅を襲われ、もし在宅時だったら、命を奪われていただろう。

 ガザの200万人の生活は困難を極めている。ほとんどがテント生活。冬季の雨で水びたしになっている。爆撃での死者は7万人と報じられるが、実際は20万人にのぼると思われ、生き残った人は食糧がなく死にそうになっている。イスラエルはハマスと闘っていると言うが、無抵抗の市民全員を相手にしているのだ。

 パレスチナ人はハマスの武装抵抗を支持しているわけではない。われわれは非暴力の闘いが最も効果的だと考えている。人びとは平和を求めている。トランプの停戦案があった。もっと早く停戦できたはずだ。米国が拒否してきたため、犠牲者が増えてしまった。毎日、毎秒、爆撃で人が死んでいる。停戦合意は遅すぎたが、実現できたことは大きな成果であり、歓迎する。平和への第1歩になる。

 その後の復興計画は不公平であり、アラブ・イスラム諸国などと連携して訂正を求めている。わたしたちは本当の平和を求めている。それは独立国家をつくることであり、自分の土地で平和に暮らすことだ。

 パレスチナ問題は全世界の問題だ。中東地域や宗教の問題ではない。80年間続く占領、アパルトヘイトを終わらせ、平和を実現することだ。それはイスラエルにいる人びとも同じだ。それぞれの国の子どもの未来を考えなければならない。

 だが、イスラエルはパレスチナ国家をつくらせないように西岸地区に入植者を増やしている。2国家解決が達成できるか重要な局面にある。国際的な力で、ファシスト、ネタニヤフ政権を倒さなければならない。

 イスラエル支援をやめさせてほしい。ボイコットや制裁を強化してほしい。日本の資金がイスラエルにわたり子どもを殺すことに使われないようにしてほしい。日本政府・企業に圧力を。パレスチナの問題を終わらせ、人間の未来をともにつくろう。

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