2025年12月12日 1899号

【排外主義にNO!誰もが人間として尊重される社会を/院内集会に420人/ヘイトを後押しする政府・行政】

 参院選後「秩序ある共生社会」の名の下に強まる排外主義を乗り越え、すべてのマイノリティの人びとの人権を尊重する社会の実現をめざす集会が11月26日、参院議員会館で開かれ、オンラインを含めて420人が参加した。外国人の人権問題に取り組むNGO8団体が主催した。

 「秩序ある共生社会とは外国人を線引き・分断し、外国人に対する管理・監視の必要性、剥き出しの排除を正当化するもの」と断じたのは、移住者と連帯する全国ネットワークの鈴木江理子さん。ノンフィクションライターの安田浩一さんは、取材した埼玉県八潮市在住のパキスタン人が「二十数年間日本に住んでいるが、今年ほど不安と絶望に暮れる日はない」と語っていたことを紹介し、「外国人ヘイトを後押ししているのが政府・政治家、とくに地方行政だ」と糾弾した。

 「在日クルド人と共に」の温井(ぬくい)立央(たつひろ)さんがクルド・コミュニティの現状を、反貧困ネットワークの瀬戸大作さんが強制送還に怯(おび)える難民認定申請外国人の思いを、それぞれ報告。外国人人権法連絡会の師岡康子さんは「日本には外国人管理・差別政策はあるが、人権保障政策がない。公的・社会的な差別が野放しにされている」として、「外国人・民族的マイノリティ人権基本法」「人種差別撤廃・罰則付き禁止法」制定の緊急性を力説した。
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