2025年12月26日 1901号
【「月桃の花」歌舞団ミュージカル/私はここだ!/Hope is in ourselves】
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生きづらさを抱えるすべての人に希望を届ける「月桃の花」歌舞団のミュージカル『私はここだ!Hope is in ourselves』が11月8日大阪市城東区、22日東京・北区で上演された。地域から公演の成功を担った報告を寄せてもらった。
地元で公開練習 訪問も重ね/「北区に文化が来た!」の反響/東京・北区 したまち公演
『私はここだ!』関東2回目の巡回公演、東京したまち公演は11月22日、東京都北区の滝野川会館で開かれ、145人の方に見てもらうことができました。
主役の駿に初挑戦となったよんちゃんはセリフを堂々と言い、通し練習が少ない中、ステージをやり切りました。もう一人の主役さくら役のさやかさんはプレ公演から数えて5回目の舞台でしたが、「今回は自然にさくらを演じることができました」と語ります。
訪問看護師ゆり役のみみさんも「何度も演じてきて、うちなんちゅーの気持ちを感じながら演じられた。これからも沖縄のことを伝えていきたい」と。メインキャストらもそれぞれギアが上がり、気持ちの入った演技にアンケートや感想でも好反響が見られました。
今回の公演は、地元北区のみなさんと実行委員会を作って取り組みました。共同代表は「希望@沖縄と北区をつなぐ女性たちの会」の泉典子さん、うちなんちゅーで大学生の崎浜空音さんと、わたし室生祥(「月桃の花」歌舞団、沖縄戦没者遺族)の3人。事務局長・制作は「やさしいまちをつくる会きたく」の橋本弥壽子さんでした。
地元で公開練習、エキストラ練習を3回行い、北区の市民劇団の役者さんや北区労連の方、ご当地アイドルの方にエキストラとして出演していただきました。
また、「やさしいまちをつくる会きたく」の総会に歌舞団員がうかがい、討議やワークショップに参加して街づくりや夜間中学の取り組みを学びながら交流しました。総会の後には、駅頭に繰り出してエイサーや歌を交えて街頭宣伝を行い、「北区に文化が来た!」と喜んでもらえました。
実行委員会に紹介してもらって地元の高校演劇部やフリースペースをユース団員が訪問。平和や社会課題に関心のある大学サークルを調べて大学祭の出展を観に行って交流しました。
最終的に入場予想は200人、当日来場者は145人で黒字決算となりました。
来年2月にはユース企画でのユース公演(横浜市南区)を行います。今回の経験を活かしたいと思います。(公演実行委員会共同代表・室生祥)

誰もが大切に 自分事と語れる空間を/「話せて気持ちが軽くなった」/大阪市・城東公演
8年ぶりに城東区の同じ会場で、「月桃の花」歌舞団公演に取り組みました。
第1回実行委員会から2か月。短期間でしたが、▽山川会(平和と民主主義をともにつくる会・大阪)の取り組みを広げる▽若い人たちとのつながりを増やす―を目標に取り組みました。
区の許可も受け、区内の掲示板159か所にポスターを貼り出し宣伝スタート。生き辛(づら)さを抱えた若者が声を上げるミュージカルと、パレスチナ連帯のAFZ(アパルトヘイトフリーゾーン)への協力を訴え、40あまりのお店や施設でポスター・チラシの協力をいただきました。公演には、ポスターを見てネットから申し込んだ参加者も。
商店街で、街頭で、エイサー演舞を通じて公演を呼びかけました。雨模様の中、公園でのエイサーまつりには親子を中心に参加があり、チケット販売もできました。エイサー太鼓の響きが心を揺さぶってくれたのです。
若者に働きかける取り組みにもチャレンジ。大阪公立大学・森之宮キャンパスへの通学路で街頭パレスチナ写真展を行い、公演と11月16日のモハマド・アローシュさんの緊急来日集会を案内。パレスチナを思う学生さんと話ができました。
若い「月桃の花」歌舞団員が母校である区内の公立高校を訪問して、公演を呼びかける取り組みもしました。同級生の友人は、公演とユース感想交流会に参加。後日(11月30日)の歌舞団カフェで、自分の生き辛さを語ってくれました。「話すことができて、気持ちが少し軽くなった」との言葉を聞き、今回の歌舞団公演に取り組んだことの意義を体感し、感動しました。
誰もが大切にされる政治に変えていくためには市民が声を上げないと、との思いでの活動でした。公演を踏まえ、自分事として、また当事者として語れる空間を創ることに努力していかなければ、と実感しました。
会場いっぱいの参加はかないませんでしたが、公演に取り組むことで得られた成果を、今後の活動につなげていきたいと思います。
(平和と民主主義をともにつくる会・大阪 森厚子)
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