2026年01月30日 1905号

【制度崩壊もたらす介護保険負担増/ 大幅賃上げを 渋谷さんの解雇撤回を/尊厳ある介護を守る!つながる介護のつどい/大阪・箕面市】

 1月18日、大阪・箕面(みのお)市で「尊厳ある介護を守る!つながる介護のつどい」が開催された。「尊厳ある暮らしを連絡会」が主催し、なかまユニオン介護医療福祉支部が共催。ZOOM2人を含む36人が参加した。

 主催者を代表し手塚隆寛さんは、介護保険制度の現状を改めて基調報告した。「厚生労働省の狙う2割負担対象者拡大案は財政効果もほとんどなく、制度持続の助けにはならない。利用者の負担増で利用控えが増え、制度崩壊を招く。昨年12月25日の社会保障審議会でも反対の声が出て、結論は2026年に先送りされた。ホームヘルパーの平均年齢は54歳で、40年には57万人の確保が必要になる。全職種より8万円も低い賃金をせめて平均並みに賃上げすることが急務だ」(本紙1902号参照)

介護に必要な姿勢と人員

 地元のなかまユニオン神明会ラ・アケソニア分会の渋谷国彦さんは「尊厳ある介護の実現を求めて」と特別報告。勤めていた介護老人保健施設ラ・アケソニアは05年開設で現在利用者85人。渋谷さんは19年間の業務で目指してきた思いを語る。「元塗装職人で脳梗塞半身まひの利用者に本棚塗装の実践をしてもらった。別の利用者では阪神タイガースの応援行動でリハビリ意欲が復活したことも」。一人ひとりの尊厳に寄り添った姿勢に参加者から驚きの声も聞かれる。

 しかし、そうした介護を持続できる人員体制は整っておらず、労働組合を結成して不払い賃金などの訴訟も開始。だが、管理職らのハラスメント横行で40人を超える職員が退職し、組合代表の渋谷さんが雇い止めされる事態に至った。「今のアケソニアは寄り添う介護どころではない。尊厳ある介護には発想と人手、両方が必要」と強調する。

 渋谷さんの解雇撤回へ理事長に圧力をかけるため、1月31日に箕面市・新船場西公園からの抗議デモを予定。2月26日には大阪地裁で口頭弁論(606号法廷、11時30分)もある。

 大阪市内の介護施設でケアマネジャーとして働く原田正太郎さんは、ケアマネ業務の苦労をレポートした。利用者の通院同行や公共料金の支払い代行、利用終了後も続く家族からの相談といった数字(点数)にできない「シャドーワーク」の多さにも悩む。厚労省が提案しているケアプランの有料化は、利用控えによってケアプランが改善できないままになる懸念のほか、事務負担を発生させ業務がさらに煩雑になる可能性がある。試験の難度や報酬の少なさ、必要な研修費用などもあり、ケアマネ志望者は減少している実情だ。

現場から地域から

 兵庫県西宮市でデイサービスセンターを運営する畑京子さんは、21年に介護従事者の交流会を有志で立ち上げ、現場の声を集めて自治体に届ける活動を続けている。12月の市議会への陳情について報告した。25年中に11か所の事業所が閉鎖したことが市の委員会でも問題視され、交付金の必要性に迫る議論になったが、独自支援策の実現には至っていない。「あきらめず、続けて声を上げていく。介護現場のことを理解する議員を増やしていくことから」

 なかまユニオン介護医療福祉支部の深江伊都子さんは、介護労働者の給与実態アンケートを報告。中間段階だが、低賃金の実態と賃上げを求める切実な声の一端も紹介した。

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 手塚さんがつどいのまとめ。介護保険改悪に反対する署名も呼びかけられた。訪問介護報酬の引き上げ、2割負担拡大案やケアプラン有料化案の撤回、介護職の賃金引き上げ、小規模事業所への財政支援、介護保険の国の負担割合倍増(現在25%→50%へ)を求める。この声を3〜4月の厚労省交渉で突きつけていく。



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