2026年01月30日 1905号

【高市解散に便乗する「維新」/出直し選は「国保逃れ」隠し】

 「自己都合解散」でスキャダルをチャラにしようとしているのは高市早苗首相だけではない。連立政権を組んでいる日本維新の会もそうなのだ。

 維新の吉村洋文代表(大阪府知事)と横山英幸副代表(大阪市長)が、ともに任期途中で辞職した。2月8日に行われる衆院選に合わせて大阪府市のダブル首長選を行うためだ。この出直し選挙で、結党以来掲げてきた「大阪都構想」の3度目の住民投票を行う是非を問うのだという。

 大阪市を廃止して特別区を設置する「都構想」は過去2回の住民投票でいずれも否決されている。2度目の敗北を喫した際、吉村は「政治家として大阪都構想に挑戦することはもうない」と述べていた。

 すでに決着済みの問題を蒸し返し、「不意打ち」的に仕掛けた出直し選に勝ったところで、どうしてそれが「都構想への再々挑戦」に合意を得たことになるのか。「政治的思惑に基づく姑息な党利党略」(1/15朝日社説)、「選挙をもてあそぶ愚行」(1/16日本経済新聞社説)など、厳しく批判されるのは当然だ。

  *  *  *

 維新は今、「国保逃れ」問題で大揺れに揺れている。国民健康保険料の支払いを逃れるため、一般社団法人の理事に就いていた所属地方議員が次々に発覚したのだ。「高すぎる社会保険料の引き下げ」を公約に掲げながら、自分たちは脱法的な手口で負担を回避していた―。カネに汚い維新の議員がやりそうなことだ。

 「身を切る改革」の大嘘が露呈した状態で衆院選に突入すれば、壊滅的な敗北は必至。だから「都構想」の旗を再び掲げ、有権者の関心を「国保逃れ」問題からそらしたいのである。まったく卑劣きわまりない。こんな政党に政権与党の資格はない。    (O)
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