2026年03月20日 1912号
【コラム 原発のない地球へ(39)/テレビユー福島が最高裁判決三浦反対意見を特番配信】
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2月19日、TBS NEWS DIGの配信による、1月9日の住宅追い出し裁判・最高裁判決の特番が福島県全域で流された。題して、「国家公務員宿舎の退去めぐる裁判 自主避難者敗訴の最高裁判決『反対意見』が問うもの」。現在もNEWS DIGサイトで7分弱の動画を見ることができる。
番組では、判決に対する内堀福島県知事の「これまでの県の主張が認められたものと受け止めている」といった月並みのコメントも紹介したが、「一方で、少数意見で『欠陥があった』と指摘された点についても、向き合う必要があります」と県へ注文をつける内容だった。最高裁判決について、反対意見・少数意見に焦点を当てた報道は珍しい。本社を福島市におき、TBS ホールディングスなどが主な株主となるテレビユー福島の企画によるもので、報道部デスクの木田修作さんが手がけた。
番組では、「反対意見は判決文26ページのうち、半分以上の16ページが割かれていて、そのポイントは3つある」とし、次のように解説。1つは、国に代わって、県が避難者を訴える資格「原告適格」はないとした。2つ目は、2017年3月に、自主避難者への住宅提供を打ち切った内堀知事の判断について、「社会通念上著しく妥当性を欠き、裁量権を逸脱し、濫用したというべき」と厳しく評価し、「審理を二審の仙台高裁に差し戻すべき」とした。3つ目は、「避難を継続するか否かは、個人の選択の問題」と自主避難についても避難の相当性を認めた。意見の最後で、被災者への支援について、「必要性が継続する間、確実に実施されるようその居住の安定に資するための措置について適切な仕組みの構築が望まれる」と結んでいると紹介した。
デスク個人の頑張りによるところも大きいが、最高裁判事の反対意見を丁寧に取り上げたこのような報道が生まれたのは、当事者の声と支援者の粘り強い運動があったからだ。
被告(避難当事者)の一人は敗訴の結果に「もし支援がなければここまでやれなかった。反対意見も出て、やった甲斐はあった」。事務局メンバーは「避難当事者は2名、支援の会も小さい。裁判では福島・仙台に行くため、金銭的にも人集めもたいへんだったが、現地での支援も広がり最後まで闘えた。一矢報いる結果となったのはみんなで得た成果だ」と振り返る。報告集会で、支援の会代表の熊本美彌子さんは「三浦裁判官の判決を大事に大事にして私たちは使わせていただく。そして非常にみじめな状態にある避難者たちが、自分たちの権利をきちんと主張できるようにしていきたい」と今後の展望を語った。
高市政権・自民党1強時代の下で、権力を監視しもの言うメディアの存在がますます重要になっている。今回のテレビユー福島のような希望のもてる企画を発信させていくのも、運動体の役割になる。(Y)
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