2026年03月20日 1912号

【みるよむ(762)/2026年2月7日配信/料金を払っても水も電気も来ない】

 イラク閣僚評議会は昨年、水道料金と電気料金を支払わない市民には「いかなる公的手続きも処理しない」と決定した。2025年11月、サナテレビは市民生活に大きな打撃となるこの問題を報道した。

 日常生活に欠かせない水や電気は政府が責任をもって市民に提供しなければならない。ところが、イラク政府は公共料金さえ払えない困窮した市民に対して、支払わなければ水や電気の供給も行政サービスも打ち切ると脅かしている。

 イラクでは、日常的に電気や水の供給自体がまともにされていない。電力供給は1日に数時間しか行われていないので、「ほぼ全面的に地域の民間発電機に依存している」という状況だ。

 サナテレビは以前にもこの問題を取り上げている。2003年以降の米軍等のイラク占領下で公共サービスが破壊され、大きな発電所の停止が続いた。市民は民間の発電会社から電気を買うしかなかった。それから20年以上もたっているのに、状況は変わっていない。

 水道水は飲用に適さないので、「市場で飲料水を購入せざるを得ない」と言う。チグリス・ユーフラティス川があり、水の供給は十分可能なのに行政当局の水道の管理は杜撰(ずさん)そのもの。水も電気も充分提供されていないのに“料金を払う”とならないのは当然だろう。

腐敗は広がるばかリ

 サナテレビは「公共サービスが完全に欠如した状態での政府の決定は、人びとの苦しみを利用し、腐敗への新たな入口を開くもの」と的確に批判している。

 イラク政府はグローバル資本の利益のために国家資金を使い、水道や電気の供給など社会インフラが壊れても放置している。汚職や腐敗が広がり、負担は市民に押し付けている。

 サナテレビは、腐敗した政府に対して立ち上がり変革しようと訴えている。

(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)

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