宜野湾コンサートでの「トラジの花」
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戦後50年を目前にした1994年の作。韓国の挺身隊問題対策協議会の共同代表尹貞玉(ユン・ジョンオク)さんから依頼されて、自分たちを「トラジの花」と呼んだ元従軍慰安婦の人たちの歌を作りました。
トラジとは桔梗(ききょう)のことで、その根は体にたいへん良いとされ、朝鮮民族の食卓には欠かせないものだそうです。
歌詞をじっくりとかみしめてほしい。
戦後50年が過ぎ21世紀になっても、日本は戦後処理・戦後補償の問題を何ひとつ解決できていません。それどころか教科書問題での歴史歪曲・侵略賛美や自衛隊の海外派兵など、ふたたび日章旗が昇り始めています。”嵐はいつか過ぎ 日はまた昇りだし”で始まる3番は、これらを見過ごしてきた日本社会への警鐘です。韓国やアジアの人々が見つめているのは、日本の国民一人ひとりの心のあり方です。私たちはこの日本の危険な動きに対して、血や肉体が引き裂かれるのと同じような感覚を持って、みんなで闘う心を持たないといけません。
”踊って見せましょうか 風に揺られて”と綴った最後の歌詞は、慰安婦とされた人々の凛とした気品と誇り、開き直りにも似た心の余裕、たとえ時代の風がどうであれ決して屈しない力を示しました。