2025年08月22日 1883号

【1883号主張 日本政府はパレスチナ国家承認を/国際共同行動で虐殺止める】

一刻も猶予できない

 パレスチナ・ガザで飢餓が拡大している。国連は「ガザ地区の大部分で食料消費が飢餓のしきい値(国際的基準)に達し、ガザ市では急性栄養不良のレベルに達している」と警鐘を鳴らす。ガザ保健省は、栄養不良による死者が154人に及び、うち89人が子どもだと発表した(7/30)。飢餓で救援物資を求める住民にイスラエル軍が発砲する事件が連日続き、7月30日にも51人が殺された。死者はついに6万人を超えた。

 だが、イスラエル高官は「ガザ地区に飢餓は存在しない」「我々が彼らを殺しているのは事実だ。我々は怪物を殺す」と暴言を吐く。攻撃と飢えで命を落とすという絶望的な惨事を今とめなければならない。停戦は一刻も猶予できない。

イスラエルの孤立

 飢餓の進行で全世界から非難を受けたイスラエルは、ガザ南部で一定時間の軍事活動の停止を行うと発表。非難の高まりで余儀なくされたものだ。市民の声と運動を背景に、世界はさらにイスラエルに圧力をかける。

 7月16日、南アフリカなどグローバルサウス諸国12か国はイスラエルへの軍事物資の輸出阻止、港湾での武器の移転拒否などを求める「ボゴダ会議共同声明」を発し、9月20日国連総会までに法的措置をとることを世界に呼びかけた。

 さらに、フランスのパレスチナ国家承認の表明に、イギリス、カナダと、承認を拒否してきたG7諸国が続く。7月28〜30日には、フランス・サウジアラビアが中心となり「2国家共存への国連会議」を開催。日本も含む125の国・地域で「パレスチナ問題の平和的解決に関するニューヨーク宣言」を発表した。イスラエルの入植活動、暴力の停止やパレスチナ国家承認を求めるこの宣言に、日本も賛同した。PPSF(パレスチナ人民闘争戦線)は「国際的転換」「真剣な試み」と大きく評価する。現在、国連加盟国193か国のうちすでに147か国がパレスチナを主権国家として承認している。日本政府も即時承認すべきだ。

 9月国連総会を前にイスラエルはかつてなく追いこまれている。BDS(ボイコット、投資引き揚げ、制裁)運動をさらに拡大していかなければならない。

戦争とめる民衆連帯を

 7月26〜27日、ZENKOin相模原は、中東、米国、日本などを結ぶイスラエル協力企業への抗議の国際共同行動を行うことを決議した。パレスチナ現地で闘う市民、世界の市民と連帯し、BDS運動とあらゆる行動を広げよう。イスラエルを支える米欧日政府に圧力をかけ、占領への加担をやめさせ、制裁措置を迫ろう。

 民衆の国際連帯でイスラエルの虐殺と戦争をただちにとめ、占領終結、パレスチナ解放を実現しよう。

  (8月3日)
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